  ボルバのトリズモのふたり
  
リスボンのセッテ・リオス・バスターミナルから3時間ほどで
アレンテージョ地方のヴィラヴィソーザに到着する。
エヴォラからは、バスで1時間ほどで到着する。
1日3~4便しかないので確認が必要である。
ヴィラヴィソーザは、スペインとの国境近くにある、人口5000人ほどの小さな町。
ヴィラ・ヴィソーザとは、「樹木の茂った町」という意味である。
その名のとおりオレンジやレモンの林に囲まれた緑豊かな町である。
15世紀初め、ブラガンサ侯爵家はこの地に住まいを定め、館を建築した。
1584年にこの宮殿に滞在した天正遺欧少年使節は、
当主ドン・テオドジオ2世とその母カタリーナから、
手厚いもてなしを受けたといわれている。
オレンジの街路樹のレプブリカ広場。
広場を見下ろすようにヴィラヴィソーザ城がそびえている。
ヴィラヴィソーザ城は、現在は博物館になっている。
侯爵の宮殿の横には、修道院を改装したポザーダがある。
バスターミナルのボルバを通るバスの時間を見ると2時間後しかない。
待ち時間がもったいないのでタクシーを使った。
5kmの距離で10分ほどで到着する。
復路は、途中の大理石採石場を見たいので歩いて帰った。
アレンテージョ地方は大理石の産地で有名である。
ボルバは、エストレモスやヴィラ・ヴィソーザの町と共に、
大理石によって世界的に知られている。
ポルトガルはイタリア(カッラーラ)に次ぐ世界第二位の大理石輸出国だが、
その85%(37万トン以上)はこの地域で産出される。
普通の家の戸口の階段など、至るところに大理石が使われており、
道路の石畳にも大理石がはめこまれている。
トリズモ(インフォメーション案内所)にいたふたりである。
「日本から来たんだって。」
「この町で初めてじゃないかしらね。」
「エヴォラとかは観光地だからたくさんの人が来るけど。」
「ボルバまで来る人ってめったにいないと思うわ。」
「日本ってかなり遠いよな。」
「そうね。行ってみたいわね。」
「そのうちに連れて行くから待っていてよ。」
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