ポルトワインとふたり
リスボンからセッテ・リオス・バスターミナルから高速バスで3時間30分程、
または、オリエンテ駅から特急列車で3時間でポルトに到着する。
リスボンから北へ約300km、ドウロ川北側の丘陵地に築かれた、起伏の多い街である。
人口約23万人、この国の商業の中心として栄えてきた。
フェニキア人やローマ人の時代から続く歴史が織り込まれた町並である。
ポルトは、カレ(ギリシア語で「美しい」の意味)と呼ばれており、
のちにポルトゥス(港)という言葉が加わって、ポルトゥス・カレとなり、
これがポルトガルという国名の起源となった。
ボニャオン市場はポルト市民の台所である。
生鮮食品から、パン、花、日用雑貨までものがあふれている。
なかには生きたニワトリやウサギまで売られている。
庶民の暮らしが感じられる場所である。
市場内や周辺には、庶民的なレストランがある。
ボニャオン市場の年代物の建物があちこち崩れてきていた。
一時期、郊外のスーパーなどの影響でつぶれそうになっていた。
だが、ポルトがヨーロッパで行きたい町1位に選ばれて人気の町となった。
観光客が多く訪れるようになり、ボニャオン市場の人気は復活した。
しかし、建物の老朽化で補修工事が必要となり仮店舗に移動した。
2018年に訪れた時は、改修工事中であった。
あれから、2年以上になるが、工事は終わったのだろうか。
その仮店舗移動前のボニャオン市場にふたりがいた。
ワインの店でワイン樽をテーブルにして、ワインを飲んでいた。
「ポルトのワインはおいしいわね。」
「ほんとだね。何杯でも飲めそうだよ。」
「地元でしか、飲めないらしいわよ。」
「ほとんど、イギリスに輸出されるらしいよ。」
「え~ そうなのね。イギリス人はいいわね。」
「ワインのために、ポルトに別荘でも建てようか。」
「あら、素敵ね。仕事いっぱいして稼いでね。」
「・・・やっぱ、年1回の旅行で我慢するかな。」
|