ベアタス通りのふたり
リスボンから、バスで3時間。エヴォラから、バスで1時間。
スペインとの国境からわずか12kmのところにあるエルヴァス。
人口10万人のエルヴァスでは、17世紀の要塞と、
8km先から水をひくため1529年~1622年に建造された
アモレイラ水道橋が有名である。
壮大な水道橋の工事は、ポルトガルで初めて課せられた
王国水道税によってまかなわれたという。
2012年6月に、世界遺産にも登録された。
レプブリカ広場を見下ろす大聖堂は18世紀のマヌエル様式を改装したものである。
大聖堂の右を上ると、旧アラブ地区に入る。
サンタ・クララ広場には、大理石製の罪人のさらし台がある。
その後ろの道えお進むとサンション王が建造した中世の城がある。
今は、軍事博物館になっている。
城を出て、サンタ・クララ広場の方面に向かうと、ベアタス通りがある。
鳥の鳴き声が聞こえ、花が飾られた美しくのどかな一角である。
狭い路地に白壁の家が連なっている。
そのベアタス通りを歩くふたりがいた。
ラフな格好のふたりである。
「こんなところに住みたいわね。」
「そうだね。」
「あなたの好きな海がないけどいいかしら。」
「君がいれば、海も我慢するさ。」
「ほんとかしら。でもありがとう。気持ちだけで充分よ。」
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