噴水の前のふたり
ポルトガルの首都リスボンは、大勢の人たちでにぎわっている。
レスタウラドーレス広場の南、ロシオ広場からテージョ川に面したコメルシオ広場までの
一帯は、バイシャ(低い土地という意味)と呼ばれる。
バイロ・アルトとアルファマも二つの丘に挟まれたこの地域は、基盤目状の道路に商店、
レストラン、土産店などが軒を重ね、リスボンでもっともにぎやかな繁華街となっている。
ロシオ駅の南に下ったところが旧市街地の中心であるロシオ広場である。
正式名はドン・ペドロ4世広場 Pr. Dom Pedro IV だが、リスボンっ子には
ロシオ(公共の広場という意味)の愛称で親しまれている。
中央の円柱の頂から広場を見下ろしているのは、初代ブラジル国王と
なったドン・ペドロ4世のブロンズ像である。
リスボンでもっともにぎやかな広場であるロシオ広場。
5月1日メーデーの日、午後3時からイベントが開催される。
その30分前、大勢の人たちが集まりかけていた。
噴水の前で記念撮影をしているふたりがいた。
噴水のしぶきが陽光にきらめき、ふたりを照らしていた。
赤いシャツにジーンズは、おそろいを意識した服なのだろうか。
「ふたりの写真を撮ってくれるって。」
「それじゃあ ラブラブのところを頼むよ。」
「もう~~ あなたって、かっこばかりなんだから。」
「そんなことないさ。僕は、君に首ったけなんだよ。」
といっているかどうかは、さだかではないが・・・
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