|    アルケヴァ湖を見るふたり   
ポルトガルでもっとも美しい村のひとつに数えられるモンサラーシュ。アルト・アレンテージョ地方とスペインとの国境近くの標高332mに位置している。
 1167年、アフォンソ・エンリケスがこの地をムーア人より奪還した。
 闘牛場としても利用される城は13世紀にディニス王によって再建されたものである。
 
 下界の町の生活からすっかり取り残されたこの小さな村に、
 中世に造られた慈悲病院や裁判所が現在も残っていることで、
 かつて軍事的に重要な拠点であったことが偲ばれる。
 
 小さな村だから30分もあれば1周できる。
 この村では、「日暮れ時とやや遅めの朝に沈黙の音がする」といわれている。
 静かに時だけが通り過ぎていくのである。
 
 モンサラーシュからスペインのモウラン(Mourao)までグアディアーナ川を
 国境の橋のN256線で渡ることができる。
 グアナダ渓谷を流れるグアディアーナ川がスペインとの国境の川である。
 モンサラーシュ近くに、グアディアーナ川をせき止めたアルケヴァ湖がある。
 広さ250平方kmのヨーロッパ最大の人口湖アルケヴァ湖(Alqueva)である。
 
 城壁から下を見ると、コルク樫やオリーブ畑の広い草原が広がっている。
 人口湖アルケヴァ湖のまわりにもオリーブ畑が植えられている。
 その広大な光景が見える場所にふたりがいた。
 ふたりで、写真の撮りあいっこである。
 
 「あなた、写真とるからこっち向いて。」
 「大丈夫かい?イケメンに撮ってくれよ。」
 「まかしなさいって。腕は確かだから・・・」
 「カメラ、古いけどちゃんと映るかな?」
 「新しいのは性能がいいから、古いほうがいいのよ。」
 「どういう意味なんだい?」
 といっているかどうかは疑問であるが・・・
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