夕暮れの広場のふたり
首都リスボンに次ぐ、ポルトガル第二都市のポルト。
リベルターデ広場の中央には、ドン・ベドロ4世の騎馬像がある。
南北に長く、少し傾斜したこの長方形の広場は、
ポルトの町を区切る隠れた境界を成している。
活気に欠ける東部地区、華やかな大通りが伸びる西部地区、
南には、世界遺産に登録されているバイシャ・リベイラ地区がある。
北側に隣接するウンベルト・デルガード将軍広場を結ぶ通りには、
大きな銀行や企業の本社が建ち並ぶ。
北側には、それらを見守るように市庁舎がそびえている。
南側には、市街を網羅するバス路線のターミナルでもある。
少し東にある中央駅サン・ベントとともに交通の要所となっている。
このあたりは、ポルト社会の縮図ともいえる場所である。
ビジネスマンが闊歩する通りを物乞いや主婦や小学生が行き交い、
頭上には、カモメが舞っている。
ポルトガルの夏期は、9時ごろまで明るい。
陽の長い夏の日、リベルターデ広場のベンチにふたりがいた。
カフェでもないのに、テーブルとイスあるのがポルトらしい。
だれでもゆっくり過ごせる空間があるのっていいな。
行きかう人々を見ながら人生を語るのもいい。
家族だからこそ、本音もいいあえるのだろう。
人と人が作り上げていくのが家族だから。
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