花火を見るふたり
ポルトガル語でサン・ジョアン祭を
「Festa do Sao Joao」(フェスタ・ド・サン・ジョアン)と言う。
(「サン」は「聖人」を意味する。ジュアンとも、ジョアンとも表記はいろいろである。)
リスボンはよく遊び、ブラガは祈りに熱心、そしてポルトは「働き者」が定評である。
その働き者のポルトっ子を熱狂させるのが6月23日のサン・ジョアン祭前夜祭。
ポルトガルの町はそれぞれに守護聖人を持っている。
例えばリスボンなら聖アントニオ、ポルトなら聖ジョアンである。
聖ジョアンとは、洗礼者ヨハネのポルトガル語名で、ヨーロッパで最も祝福される聖人。
6月24日はその生誕を祝い、この日は国の祝祭日とは別にポルト市の祭日になる。
サン・ジョアン祭は、世界遺産に指定される旧市街から、
ドウロ河岸のリベイラ一帯が中心。
前夜祭には、ドン・ルイス1世橋を背景に、華やかな花火が打ち上げられる。
リベイラはたくさんの市民で埋め尽くされ、明け方まで祭が続く。
ホテルの窓から、花火が少し見えた。
ポルトガルの花火は初めてである。
前のビルの屋上にふたりの姿があった。
「どんな花火より君のほうがきれいだよ。」
な〜んて、言っているのかなあ。
|