歩調の合うふたり
アレンテージョ地方の中心都市のエヴォラから、南へくだる。
南部アレンテージョ平原には城砦都市が三角形をつくって並んでいる。
ベージャ、セルバ、モウラの3つの都市である。
ベージャの30km東にあるセルバの町は、雰囲気があり開けた感じがする。
狭間付きの城壁が、石畳の路地や教会、邸宅、レストランを囲い込んでいる。
城壁の外から、町の中心のレプブリカ広場に向かう。
樹齢千年のふしくれだったオリーブの木がある。
ローマ人やムーア人を見てきたのだろうか。
戦いの中、生きのびてきたオリーブの木である。
城壁のすぐ手前の家々は、平屋の白壁の家が続いている。
白い壁は、1年に1回は塗りなおしているという。
肩を組んだ二人が歩いて行く。
城壁のほうに向かっていた。
楽しそうにおしゃべりをしていた。
将来のことより、今を楽しく過ごすほうがいいかもしれない。
この時は、戻ることはできないのだから。
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