本の露天市場のふたり
リスボンから、バスか列車で1時間半ほどの距離のエヴォラの町。
エヴォラの町全体が世界遺産に登録されている。
街角ごとに豪華な邸宅か、見事な教会がある。
その多くはエヴォラが栄華を極めたルネサンス期に建てられたものである。
1580年にポルトガルがスペインに併合されるとエヴォラの繁栄に
終止符が打たれ、町はゆるやかに衰退しはじめた。
しかし、奇跡的な修復工事のより町はその栄華を取り戻した。
エヴォラの中心はアーチのある三角形のジラルド広場である。
16世紀に造られた泉とサン・アンタン教会がみえるオープンカフェが広がる。
町のあちこちにある泉の水は、アグア・ダ・プラダ水道橋からひかれている。
1530年に造られたこの水道橋はベレンの塔で有名なフランシスコ・デ・アルーダが
設計した。
ジラルド広場は、夏のフェスタのイベントで、本の市場が開かれていた。
白いテントの本屋がずらりと並んでいた。
おおぜいの人たちが本を見たり、カフェでくつろいでいた。
土曜日の午前中は、大学生たちが描いた絵も売られている。
その人ごみの中にいたふたりである。
まわりを気にせず、ふたりの世界にひたっていた。
絵本の中の王子様と王女様になった夢をみているのかな。
怖い場面もふたりでのりきってほしいな。
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