別れを惜しむふたり
スペインとの国境近くにある、人口5000人ほどの小さな町。
ヴィラ・ヴィソーザとは、「樹木の茂った町」という意味である。
その名のとおりオレンジやレモンの林に囲まれた緑豊かな町である。
15世紀初め、ブラガンサ侯爵家はこの地に住まいを定め、館を建築した。
1584年にこの宮殿に滞在した天正遺欧少年使節は、
当主ドン・テオドジオ2世とその母カタリーナから、
手厚いもてなしを受けたといわれている。
オレンジの街路樹のレプブリカ広場。
広場を見下ろすようにヴィラヴィソーザ城がそびえている。
ヴィラヴィソーザ城は、現在は博物館になっている。
侯爵の宮殿の横には、修道院を改装したポザーダがある。
エヴォラから、日帰りで行ける場所にある。
バスターミナルはレプブリカ広場から徒歩5分である。
1日4〜8便しかないため、時間を確認しておくことが必要である。
そのバス停で、バスを待っていると、ふたりに出会った。
彼女がバスに乗るらしく、バス停前で熱い抱擁が始まった。
こんなに別れを惜しむほど遠くに出かけるのか。
ふたりの格好から長距離の旅でもなさそうである。
まわりなど、ぜんぜん見えないふたりにとって、
たとえ数十分でも長旅なのだろう。
こんな時期が青春なのかなあ。
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