サーフィンのメッカのふたり
リスボンの北50km、ペニシェの南55kmの位置にあるエリセイラの町である。
リスボンからバスで、マフラ経由で1時間ほどで到着する。
海に ちなんだ多くの伝統が今も残る漁村である。
海岸の特徴は、大きな断崖と小さな砂の入り江が入り組んでいる。
エリセイラは、伝統ある漁村であり、サーフィンのメッカであり、
国際的にもヨーロッパのベストサーフスポットとして知られている。
この近くにもサーファーにとって世界的基準のビーチが多くある。
1985年からASP(WQS)ワールドチャンピオンシップの主催をしている。
夏はサーフィンやマリンスポーツの大会などが行われ
たくさんの観光客がバカンスを過ごしに来るリゾート地である。
エリセイラの町の向こうに広がるのは大西洋。
断崖絶壁の岩の上には夕日が沈む方向にベンチがいくつも並んでいる。
白壁の家には、ブルーの縁取りがカラフルである。
時期的にまだ早いのか、サーフィンをしている人の姿はない。
これから夏に向けて大勢の人たちがバカンスを楽しみに来るのだろう。
そんな海岸の絶壁の上の道にいたふたりである。
大西洋の海を眺めるわけでもない。
生まれた時から見慣れた場所である。
ふたりがいたら、もう何も目に入らないのだろう。
「サーフィンの大会に出たいんだ。」
「応援するからがんばってね。」
「サーフィンの大会で優勝したいんだ。」
「応援するからがんばってね。」
「その賞金でサーフィン教室をやろうと思うんだ。」
「応援するからがんばってね。」
「サーフィンを子供たちに教えたいんだ。」
「応援するからがんばってね。」
「そしたら、君と結婚したいんだ。」
「ありがとう。いつになるやら・・・」
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