ドン・ルイス1世橋の下のふたり
ポルトは、リスボンに次ぐ第2の都市で、ポルトガル商工業の中心地である。
リスボンから、列車でも高速バスでも3時間ほどで行くことができる。
ポルトのドウロ川に架かる橋は、正確には5つある。
ポルトを代表する2重構造のドン・ルイス1世橋は、1886年に
フランスのエッフェル塔設計者の弟子によって建てられた。
ほかに、自動車専用道路のアラビータ橋、
5つの中で最古のドナ・マリア・ペア橋(現在は使われていない)、
鉄道橋のサン・ジョアン橋がある。さらに上流にフレイソ橋がある。
ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア地区には約60か所のポルトワインセラーが並ぶ。
ドウロ川には、1960年代まで実際にワインを運んでいた各メーカーの
ラベーロと呼ばれる船が浮かんでいる。
多くのワインセラーで見学や試飲ができるようになっている。
場所によっては博物館や高級ホテルのような立派な建物のこともある。
そのワイン船が浮かぶドウロ川沿いの公園は憩いの場である。
ドン・ルイス1世橋のたもとには、多くの人々が集まる場所である。
1人用のイスに2人で座るサングラスのふたりがいた。
「今年の夏は暑いらしいわ。日光が眩しいわ。」
「暑い夏こそ、男の出番さ。どんどん、日焼けしようぜ。」
「日焼けをすると将来、シミやシワになるらしいわ。」
「そんなこと気にしなくてもいいさ。どんな君でも大好きさ。」
「ありがとう。さすが心が広いわね。」
「そうさ、おれの心はドン・ルイス1世橋のように大きいさ。」
「ドン・ルイス1世橋・・・ 微妙な大きさね・・・」
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