静かな村の路地のふたり
ポルトガルでもっとも美しい村のひとつに数えられるモンサラーシュ。
アルト・アレンテージョ地方とスペインとの国境近くの標高332mに位置している。
エヴォラから、バスで1時間半、途中レゲンゴス・モンサラーシュで乗り換える。
エヴォラのバスターミナル発は、1日3本であり、土日は運休である。
日帰りも可能な場所であるが、1泊するほうがいいかもしれない。
時間は変更されることもあるので現地での確認が必要である。
1167年、アフォンソ・エンリケスがこの地をムーア人より奪還した。
闘牛場としても利用される城は13世紀にディニス王によって再建されたものである。
下界の町の生活からすっかり取り残されたこの小さな村に、
中世に造られた慈悲病院や裁判所が現在も残っていることで、
かつて軍事的に重要な拠点であったことが偲ばれる。
小さな村だから30分もあれば1周できる。
この村では、「日暮れ時とやや遅めの朝に沈黙の音がする」といわれている。
静かに時だけが通り過ぎていくのである。
石積みの壁と白壁の壁が美しい路地を歩くふたりがいた。
かなり、暑いとみえてシャツの前がはだけている。
紫外線対策にもサングラスはかかせない。
「6月になったばかりなのに、暑いわねえ。」
「ますます、ビールがおいしくなりそうだなあ。」
「日焼けで、腕が真っ赤になりそうよ。」
「俺は、腹が黒くなるかな・・・な~んてね。」
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