ファーロのラクガキの前のふたり
リスボンのポルトガル航空便でファーロ便が、1日3便運航。
リスボンのオリエンテ駅から特急列車AP、または、急行列車ICで3時間から3時間半。
リスボンのセッテ・リオスバスターミナルからバスで、3時間50分で、
ポルトガル南部の首都であるファーロに到着する。
1249年、アフォンソ3世によって再征服されたファーロは、
ポルトガルにおけるイスラム勢力終焉の地となった町である。
現在は、イギリスやドイツからの飛行機も発着している。
周辺リゾート地の玄関口としてにぎわっている。
ファーロに接している海はラグーンといわれ、砂州やサンゴ礁により外海から隔てられた水深の浅い水域のことである。
潟(かた)、潟湖(せきこ)は、湾が砂州によって外海から隔てられ湖沼化した地形になっている。
ごく狭い水道により外海とつながっている塩湖である。
およそ170平方kmの自然保護区、フォルモーザ潟と隣り合っている。
春と秋の渡りの季節になると、潟は100種を数える多様な鳥類の休憩地となる。
砂浜は市からおよそ7kmに渡って続き、橋を通ってたどり着ける長い砂嘴からなっている。
ポルトガルの南部には、アリーナがおもな町の海岸に造られている。
そのほとんどが、ポルトガルに休暇を過ごしに来る外国の人々のヨットである。
ファーロはヨーロッパ各地からの航空便があるためにリスボンより訪れやすい場所といえる。
ボートツアーの勧誘をされた。
夕刻時間のみのサンセットツアーに申し込んだ。
ラグーンの砂洲の外側の大西洋に沈む夕日を見るツアーである。
1時間コースで1人15ユーロである。
そのボートツアーの乗り場から、ラクガキの塀の前のふたりが見えた。
手前の黄色の花が盛り上げてくれているようだ。
「あの人たちは、サンセットツアーに行くみたいね。」
「そうだね。」
「港の外側からみる夕焼けは素敵だものね。」
「そうだね。」
「私も海岸の向こうの夕焼けを見てみたいわ。」
「ボートでしかいけないから、もったいないよ。」
「そんなこといわないで、きれいな夕焼けを見せてよ。」
「夕焼けの光に反射した君の顔のほうがきれいさ。」
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