オリベイラ広場のふたり
ギマランイスは、ポルトのサンベント駅から近郊列車で1時間15分で到着する。
ポルトからバスでも50分ほどで行ける交通の便がいい街である。
ギマランイスは、初代ポルトガル国王アフォンソ・エンリケス生誕の地である。
町の入口には、「ここにポルトガル誕生す Aqui Nasceu Portogal」と書かれている。
アフォンソ1世が生まれた城などゆかりの史跡も多い町である。
旧市街の家並みは時代に取り残され、歴史の重みを感じさせる。
都市の中心部である旧市街は南北に約850メートル・東西に約250メートルの
狭い区域であり、ポルトガル王国の建国後に建てられた歴史的建築物が並ぶ。
『エスプレッソ』紙による調査で、ギマランイスはポルトガルで2番目に
住みよい環境の町であると評価された。
2001年、歴史的文化財を残すギマランイス旧市街は「ギマランイスの歴史地区」として
ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録された。
また、2012年にはこの年の欧州文化首都になっている。
オリベイラ広場にあるノッサ・セニョーラ・ダ・オリベイラ教会は、
ロマネスクとゴシック様式が混じった教会である。
教会前のアーチはムーア人を打ち破ったサラードの戦いの勝利を記念して
1342年に造られたといわれている。
アーチが完成するとき、教会前にあったオリーブの幹が突然葉を出したという
伝説をもとに、この名前(オリーブの樹の聖母教会)と呼ばれるようになった。
そのアーチの柱の根元に座るふたりがいた。
手作りのサンドウィッチとポットに入った飲み物を飲んでいる。
近くにオープンカフェはあるが、注文しないと座れない。
「昨日のとどっちがおいしい?」
「どっちもよ。あなたの作るものはなんでもおいしいわ。」
「ありがとう。これからもずっと作るね。」
「こちらこそ、よろしくね。」
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