ロイオス教会で動画を撮るふたり
リスボンからセッテ・リオス・バスターミナルからバスで1時間30分程、
または、オリエンテ駅から列車で1時間40分でエヴォラに到着する。
列車は、本数が少ないので、バスのほうが便利である。
アレンテージョ地方の中心であるエヴォラは、ローマ時代から栄えてきた。
ルネッサンス期には、大学も設置された学芸の都でもある。
ローマ、イスラム、キリスト教、それぞれの時代を物語る建造物が
ひとつの城壁の中に混然と同居する旧市街は、
世界遺産にも登録されており、まるで町全体が美術館のようである。
街角ごとに豪華な邸宅か、見事な教会がある。
その多くはエヴォラが栄華を極めたルネサンス期に建てられたものである。
1580年にポルトガルがスペインに併合されるとエヴォラの繁栄に
終止符が打たれ、町はゆるやかに衰退しはじめた。
しかし、奇跡的な修復工事により町はその栄華を取り戻した。
ロイオス教会は、ディアナ神殿の隣にあり15世紀に建築された。
内面を飾る美しいアズレージョ(装飾タイル)は18世紀初期のもので、
ロイオス修道会に影響を与えた聖ローレンスの生涯を表している。
そのロイオス教会で、タブレットで動画を撮るふたりがいた。
美しいアズレージョは、撮りがいがある映像である。
「すごいアズレージョが撮ってみんなに見せてあげよう。」
「あなた、がんばってね。」
「画面が大きいから、いい映像が撮れそうだよ。」
「だんだん、手が下がってきたわよ。支えましょうか。」
「ありがとう。重いから疲れるよ。」
「無理しないでね。筋肉痛になりそうよ。」
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