サンタ・エングラシア教会のふたり
ポルトガルの首都リスボンは、大西洋に注ぐテージョ川の河口から
約12km上流の右岸に位置するヨーロッパ大陸最西端の首都である。
「7つの丘の街」と呼ばれる起伏が激しい土地である。
サンタ・エングラシア教会 (Igreja de Santa Engrácia)は、
ポルトガルの首都リスボンにある17世紀創立の教会である。
20世紀に入ってから国立のパンテオン(名士合祀殿)となり、
ポルトガルの著名な人物が葬られている。
教会はアルファマ地区にあり、近くにサン・ヴィセンテ・デ・フォーラ修道院がある。
現在の教会の建物は、ブラガの殉教者聖エングラシアに捧げられた以前の教会の
替わりである。
最初の教会は1568年頃、マヌエル1世の王女マリアが後援していた
聖エングラシアに捧げられた。
1681年、最初の建物が崩壊したあとに現在の教会の建設が始まった。
新たな設計者は、王室建築家でポルトガル・バロック期の重要な人物の一人
ジョアン・アントゥネスがおこなった。
建設は1682年から、アントゥネスの死んだ1712年にかけ進められた。
ジョアン5世は教会に興味を失い、大規模なマフラ修道院に資金をまわした。
教会は未完成のまま20世紀まで放置された。
20世紀半ばになりドームが加えられ、教会は1966年に再び落成された。
サンタ・エングラシア教会はバロック様式の教会である。
完成まで300年以上かかっている国立のパンテオンになっている。
ドームの上に登ることもできる。
そのドームの上に写真を撮っているふたりがいた。
「あなた、バックの景色もいれて写真を撮ってね。」
「わかったよ。」
「街並みを入れたいから、もっとカメラを高くしてね。」
「わかったよ。」
「ピントは、私にあわせるのよ。」
「わかったよ。」
「チェックするから撮ったら見せてね。」
「わかったよ。」
「きれいに撮れるまで何度もやり直しよ。」
「・・・」
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