ギマランイスの城壁のふたり
ギマランイスは、ポルトのサンベント駅から近郊列車で1時間15分で到着する。
ポルトからバスでも50分ほどで行ける交通の便がいい街である。
バスターミナルの上には、巨大スーパーマーケットができている。
待ち時間などの買い物に便利である。
ギマランイスは、初代ポルトガル国王アフォンソ・エンリケス生誕の地である。
町の入口には、「ここにポルトガル誕生す Aqui Nasceu Portogal」と書かれている。
アフォンソ1世が生まれた城などゆかりの史跡も多い町である。
旧市街の家並みは時代に取り残され、歴史の重みを感じさせる。
都市の中心部である旧市街は南北に約850メートル・東西に約250メートルの
狭い区域であり、ポルトガル王国の建国後に建てられた歴史的建築物が並ぶ。
『エスプレッソ』紙による調査で、ギマランイスはポルトガルで2番目に
住みよい環境の町であると評価された。
2001年、歴史的文化財を残すギマランイス旧市街は「ギマランイスの歴史地区」
としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録された。
また、2012年にはこの年の欧州文化首都になっている。
第3代ポルトゥカーレ伯ヘルメネギルド・ゴンサレスの寡婦として政務を
引き継いでいた夫人ムマドナ・ディアスは、
950年と951年に受けた天啓に従ってこの地に修道院を設立したが、
ヴァイキングの襲撃から町と施設を護るべく、959年にギマランイス城を築いた。
1109年にはポルトガルに栄光をもたらすアフォンソ・エンリケス(アフォンソ1世)が
このギマランイス城で生まれている。28mの高さの塔を持つ。
ブラガンサ侯爵館は、アヴィス朝を創始したジョアン1世の息子で、初代ブラガンサ侯爵となったドン・アフォンソによって15世紀初めに建てられた。
レンガの煙突や宴会場の天井などにフランス・ブルゴーニュ地方の影響が見てとれる。
16世紀にグラガンサ侯爵家がヴィラ・ヴィソーザに移ってからは廃墟となっていた。
現在はきれいに修復され、政府の公館として国賓などの接待場にも使われている。
長く続く、城壁の向こうに見える建物が、ブラガンサ侯爵館である。
その城壁の横で、写真を撮っているふたりがいた。
三脚までセットしての本格的な撮影である。
城壁越しのブラガンサ侯爵館を撮っているのであろうか。
「いい写真が撮れそうかしら。」
「まかしておけよ。バッチリさ。」
「あなたのへっぴり腰じゃ、期待できないのよね。」
「そんなこと言うなよ。恰好じゃないんだから。」
「まあ、お互い、格好のことは、いえないか・・・」
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