コルメシオ広場の海岸のふたり
ポルトガルの首都リスボンは、大西洋に注ぐテージョ川の河口から
約12km上流の右岸に位置するヨーロッパ大陸最西端の首都である。
「7つの丘の街」と呼ばれる起伏が激しい土地である。
ロシオ広場から、アウグスタ通りを通り、勝利のアーチを抜けると
広々としたコルメシオ広場が広がっている。
リスボンの海の玄関口であるコメルシオ広場は、
1755年の大地震で破壊されたマヌエル1世の宮殿があったことから、
別名テロイソ・ド・パソと呼ばれている。
1908年にはカルロス1世と皇太子が暗殺されるなど、
さまざまな歴史の舞台ともなった。
向こうに見えるテージョ川に架かる橋は、4月25日橋である。
1966年に開通した全長2277mのつり橋である。
上段は車、下段は鉄道専用となっている。
当初はこの橋を建造したサラザール橋と呼ばれていた。
1974年4月25日、アントニオ・スピノラを中心とする
革新派軍人グループがクーデターを起こし、新政府が誕生した。
ポルトガル人はこの事件を「リスボンの春」と称し、
革命を記念して4月25日橋と改名した。
コルメシオ広場の南側の海のようなテージョ川岸には、
大勢の人たちが、集まっていた。
小さいが、砂浜も作ってあるので、子供たちが遊んでいた。
暑いので、涼しさを求めて水辺にくるのであろうか。
その海岸にふたりがいた。
「私も砂浜を歩いてみたいわ。」
「砂は暑いぞ。気をつけろよ。」
「平気よ。海にも入ろうかしら。」
「海は、まだ冷たいかもよ。」
「平気よ。カモメとハトとも遊びたいわ。」
「まるで、子供だな~~~ まあ、そこが好きなんだけどな。」
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