カルモ教会のアズレージョとふたり
リスボンからセッテ・リオス・バスターミナルからバスで3時間30分程、
または、オリエンテ駅から列車で3時間でポルトに到着する。
リスボンから北へ約300km、ドウロ川北側の丘陵地に築かれた、
起伏の多い街である。
人口約23万人、この国の商業の中心として栄えてきた。
フェニキア人やローマ人の時代から続く歴史が織り込まれた町並である。
ポルトは、カレ(ギリシア語で「美しい」の意味)と呼ばれており、
のちにポルトゥス(港)という言葉が加わって、ポルトゥス・カレとなり、
これがポルトガルという国名の起源となった。
カルモ教会 Ig. do Carmo は、サン・アントニオ大学病院の東側にある。
側面のアズレージョ(装飾タイル)がすばらしい教会である。
カルモ教会の横にあるのが、カメリタス教会 Ig. dos Carmelitas である。
2つの教会が並んで建っているのは、めずらしい。
アズレージョ (azulejo)は、ポルトガル・スペインで生産される、
典型的な上薬をかけて焼かれたタイルである。
アズレージョは、途絶えることなしに5世紀もの間生産され続け、
ポルトガル文化の典型的な要素となった。
教会、宮殿、一般の家の内や外、鉄道駅や地下鉄駅でさえも見られる。
アズレージョは、壁や床、天井でさえも使われるようになり、
ポルトガル建築の多くで主要な要素となっている。
多くは、ポルトガル史の歴史的・文化的要素を記録しているのである。
カルモ教会の外壁のアズレージョは有名である。
その前を通るふたりがいた。
「ブルーのアズレージョは、いつ見てもきれいね。」
「君のほうが、ずっときれいさ。」
「すぐ、そういう見え透いたこというんだから・・・」
「ハハハ、ばれたか・・・」
「家の壁をアズレージョにしたいわね。」
「そうだな。よし、俺が作るよ。」
「え~~ いいけど、いつになるやら・・・」
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