クリスタル宮庭園のふたり
リスボンから北へ約300km、列車やバスで3時間半ほどの距離である。
ドウロ川北側の丘陵地に築かれた、起伏の多い街である。
人口約23万人、この国の商業の中心として栄えてきた。
ポルトガルの国土は、ポルトガリア伯爵の息子で初代ポルトガル国王となる
アフォンソ・エンリケスの進軍によって南へ広がり、現代の大きさになった。
名実ともにポルトガル発祥の地がここポルトである。
14世紀から15世紀にかけての大航海時代、ポルトで生産された船団は、
ポルトガルの海軍の発展に大いなる貢献をした。
1415年に、ジョアン1世の子供であるエンリケ航海王子は、
ポルトを出発し、モロッコの地中海に面する港町セウタを攻撃した。
エンリケ航海王子によるセウタ攻略がそれ以後のポルトガルの海外への
雄飛への出発点であった。
ポルトの町の中心部から西方面にサン・アントニオ大学病院がある。
その西側にソアーレス・ドス・レイス国立美術館がある。
もう少し歩くと、クリスタル宮庭園の丸いドームが見えてくる。
その庭園には、クジャクが放し飼いにされていた。
エヴォラでもクジャクを放し飼いにされている庭園を見たことがある。
ポルトガルではクジャクの放し飼いはめずらしいことではないのかもしれない。
そのクリスタル宮庭園のベンチに座るふたりがいた。
目の前をクジャクが羽根を広げながら、歩いていく。
「クジャクがこっちに来たわよ。」
「ここのクジャクは人に慣れているからね。」
「きれいな羽根を広げるところが見たいわ。すてきでしょうね。」
「美しさは、君には、かなわないさ。」
ちなみに日本では、2017年は、酉年である・・・
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