サグレスの崖の上のふたり
リスボンのオリエンテ駅から特急列車のAPまたはICで、
3時間から3時間半でファーロに到着する。
ファーロで普通電車に乗り換えて1時間40分程でラーゴスに着く。
ラーゴスからバスに乗り、1時間程でサグレスに到着する。
ポルトガル鉄道アルガルヴェ線の最西端のラーゴスからさらに西へ30kmである。
ユーラシア大陸の南西の果てである。
サグレスはポルトガルの南部アルガルヴェ地方の自治体ヴィラ・ドゥ・ビシュプ内の地区にある。
面積は34.28平方キロ、人口は2000人ほどである。
15世紀に、エンリケ航海王子がこの地に航海学校を設立した。
1519年にヴィラ・ドゥ・ビシュプから分離して、1834年までは独立した自治体であった。
1801年には413人の住民を数えた。
現在はヴィラ・ドゥ・ビシュプに属する地区となっている。
サグレス岬の突端にはエンリケ王子が航海学校を開いた要塞がある。
砂地と未知の大海しか目に入らない要塞の中で、
天文学者、数学者、地理学者たちが航海術の研究を行った。
ジル・エアネスのアフリカ・ポジャドール岬到着に続く数々の快挙を成し遂げた。
サグレス要塞は16世紀に築かれ、1755年の大地震後に再建された。
エンリケ航海王子の住居や航海学校だった建物跡や礼拝堂や発見の記念碑などが残っている。
サグレス要塞に行く途中にふたりがいた。
あまり植物の育つ環境でないが、この小さな黄色の花が咲いていた。
「これを超えると、海が見えるのよね。」
「大西洋が見えるよ。」
「サグレスは最西端の町なんですって。」
「正確には、リスボンの西にあるロカ岬だけどね。」
「でも、サグレスの方が端っこの感じするわよ。」
「感じだけじゃあな。」
「細かいこと気にしないでよ。」
「君の太めのところが好きなんだ。」
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