愛犬と散歩中のふたり
リスボンからセッテ・リオス・バスターミナルから高速バスで3時間30分程、
または、オリエンテ駅から特急列車で3時間でポルトに到着する。
リスボンから北へ約300km、ドウロ川北側の丘陵地に築かれた、起伏の多い街である。
人口約23万人、この国の商業の中心として栄えてきた。
フェニキア人やローマ人の時代から続く歴史が織り込まれた町並である。
ポルトは、カレ(ギリシア語で「美しい」の意味)と呼ばれており、
のちにポルトゥス(港)という言葉が加わって、ポルトゥス・カレとなり、
これがポルトガルという国名の起源となった。
サン・ベント駅の北側の道路を東方面に坂を登っていくとサンタ・カタリーナ通りに出る。
サンタ・カタリーナ通りは、遊歩道になっていて、にぎやかな場所である。
いろいろなショップや専門店が並んでいる。
その通りの南淵にサント・イルデフォンソ教会がある。
美しいアズレージョで飾られた教会である。
ポルトガルを代表するアズレージョ画家のジョルジェ・コラコの作である。
教会の前の広場に愛犬を連れたふたりがいた。
「この犬の写真を撮りたいのかい?」
「いいですよ。かわいく撮ってね。」
「お礼に折り鶴をくれたよ。」
「あら、すてきね。折り紙で折ってあるのね。」
「正方形の紙で、よくこんな形ができるものだな。」
「ほんとね。日本人は器用なのかしら。」
「君だって、やればできるさ。」
「そうかしら。家中、失敗品のゴミだらけになりそうね。」
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