城壁の上を歩くふたり
リスボンからセッテ・リオス・バスターミナルからバスで3時間30分程、
または、オリエンテ駅から列車で3時間でポルトに到着する。
リスボンから北へ約300km、ドウロ川北側の丘陵地に築かれた、
起伏の多い街である。
人口約23万人、この国の商業の中心として栄えてきた。
フェニキア人やローマ人の時代から続く歴史が織り込まれた町並である。
ポルトは、カレ(ギリシア語で「美しい」の意味)と呼ばれており、
のちにポルトゥス(港)という言葉が加わって、ポルトゥス・カレとなり、
これがポルトガルという国名の起源となった。
街を見渡す丘の上に建てられたカテドラルは、もとは要塞として12世紀に建てられ、17~18世紀に改修が加えられた。
北面のバロック様式の外廊は、クレリゴス教会を設計したイタリア人建築家ナソーニによって、18世紀に付け加えられた。
サンベント駅からドン・ルイス1世橋に向かう途中に城壁が残っている。
以前は、登ることができなかったと思うが、最近では、登れるようになった。
丘の上の城壁なので、とても高いところに造られている。
城壁の周りには何もなく、足元は、はるか下のドウロ川まで見えるので、
高所恐怖症の人には不向きである。
その城壁を歩くふたりがいた。
頭の上をカモメが飛んでいる。
「見晴らしがいいわね。」
「それどころか、落ちそうで怖いよ。」
「なに言ってるのよ。あなたが登ろうといったのでしょ。」
「そうだけど、こんなに高いと思わなかったよ。」
「早く、行くわよ。」
「あ~あ 吊り橋効果を狙ったのに、これじゃ逆効果だよ・・・」
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