レガレイラ宮殿の洞窟とふたり
リスボンのロシオ駅から列車で40分でシントラに到着する。
通勤列車でもあるため、本数が多く列車も8両編成で長い。
リスボンから日帰りで行きやすい場所である。
カスカイスやロカ岬行きのバスもある。
リスボンから西へ約28kmにシントラの町がある。
王宮を中心として豪華な城館や貴族の別荘が点在する。
イギリスの詩人バイロンが「この世のエデン」とたたえた。
14世紀に建てられたシントラ王宮や、丘の上のぺーナ宮殿、ムーアの城跡とともに
「シントラの文化的景観」の名称で世界遺産に登録されている。
19世紀に王室一家の避暑地となってから急激な変化をつげて、有名なリゾート地となった。
ゴシック様式で施された王族の別邸のレガレイラ宮殿が古城のように建っている。
各様式の寄せ集めのペーナ宮殿も建っている。
標高500mの山頂からの展望は、大西洋まで見渡すことができる。
キンタ・ダ・レガレイラ(Quinta da Regaleira)は12世紀に建設された王族の別邸を
20世紀前半にイタリアの建築家ルイージ・マニーニによって改築された宮殿である。
変わり者で大富豪だったアントニオ・カルヴァーリョ・モンテイロが発注した。
ブサコ宮殿を設計し舞台芸術もやっていたルイージ・マニーニが設計して完成させた。
シントラ中心部から、徒歩20分から30分ほどで到着する。
庭園には、深さ60mほどのらせん階段や洞窟が造られている。
昔は真っ暗な洞窟のため、懐中電灯が必要であった。
現在は、道筋にライトがつけてあり、迷うことはない。
随所に錬金術やテンプル騎士団のシンボルが施されている。
その洞窟の中を歩くふたりがいた。
「洞窟なんて、初めてよ。暗いのね。」
「探検しているようでワクワクするな。」
「なぜ、洞窟を造ったのかしらね。」
「テンプル騎士団の関係かもね。」
「じゃあ、どこかに財宝が隠してあるのかしら。」
「そんなウワサもあるけど、実際にはどうかな。」
「あったら、すごいわね。」
「僕は、すでに君というお宝を見つけているけどね。」
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