ブラガの中世祭りのふたり
ポルトのサン・ベント駅から近郊列車で約1時間10分でブラガに到着する。
30分から1時間おきに運行するので、行きやすい場所である。
ヴィアド・カステロから列車とバス、ギマランイスからもバスが出ている。
「リスボンは楽しみ、コインブラは学び、ポルトは働き、そしてブラガは祈りの町である」という言葉からも明らかなように、
ブラガは、ポルトガルにおいて、信仰面で重要な役割を果たしてきている。
ブラガの歴史は古く、ローマ帝国の属州ガッラエキアの中心地Bracara Augustaとして繁栄した。
イスラム支配後、12世紀から18世紀にかけて大司教座が置かれた。
宗教の中心地として知られ、12世紀建造のブラガ大聖堂、郊外の巡礼地ボンジェズスがある。
大司教に仕えたアンドレ・ソアレスとカルロス・アマランテという建築家が、ブラガの町に新しい息吹を与えた。
ブラガの郊外には、バロック建築の手法が取り入れられたボン・ジェズス教会
(Bom Jesus do Monte)が建設されると同時に、市立図書館や多くの邸宅が建設された。
メディヴァル(Medieval)と呼ばれる中世祭りは、ポルトガル各地で開催されている。
美しい城塞都市として人気のオビドスでも城塞都市丸ごとを使っての中世祭りが開催されている。
中世祭りの中でもポルトの南、約25km程の所にあるサンタ・マリア・ダ・フェイラ(Santa Maria da Feira)で開かれる中世祭りは、ポルトガルで最大規模を誇っている。
当時の服装に身をまとい、職人、商人、大道芸人、騎士、貴婦人、楽師などに扮している様子は、まるで中世へタイムスリプしたかのようである。
多くの人々が中世の衣装を身にまとい、見ているだけで楽しくなるようなダンスや歌、数々のイベントが繰り広げられる。
中世祭りが開催されている広場に向かう路地を歩くふたりがいた。
「雨がやんでよかったわ。」
「そうだな。祭りに雨は似合わないな。」
「中世時代の服装の人を見かけるわね。」
「みんなで中世の服を着るのも祭りのひとつだからな。」
「私も扮装してこればよかったわね。」
「中世の女神様というところかな。」
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