傘のアーケードとふたり
ドウロ川河口に位置するポルトガル第2の都市ポルトは、
リスボンから北へ約300km、列車やバスで3時間半ほどの距離である。
ヴィアナ・ド・カステロは、ポルトの北約70kmに位置している。
ポルトのサン・ベント駅、またはカンパニャン駅から1時間半から2時間で到着する。
直通で行けるスペインまで行く便は本数が少ない。
近郊列車のブラガ行きに乗り、途中ニーネ駅で乗り換える方法もある。
ドウロ川流域とスペイン国境を流れるミーニョ川に挟まれた地域はミーニョ地方と呼ばれている。
雨が多く、緑豊かな農業地帯でヴィーニョ・ヴェルデ(通称:緑のワイン)の産地としても知られている。
このミーニョ地方の中心であり、リマ川の河口に開けた別名「リマの女王」と呼ばれている土地である。
1253年に、アフォンソ3世が町を建設したことに歴史が始まる。
16世紀には、ヴィアナ・ド・カステロの港は重要性を増した。
ここを母港に大航海に乗り出す航海者が多かったことを意味する。
毎年8月にはロマリア祭(嘆きの聖母巡礼祭)が行われ、民族衣装で着飾った人々が町にあふれる。
商店街の路地が傘のアーケードで飾られていた。
アヴェイロの近くのアゲダがアンブレラアートが有名である。
アゲダは、7月から9月までの夏場しか開催されていない。
その商店街の傘のアーケードの下にふたりがいた。
「ヴィアナカステロで傘のアーケードがあるなんて知らなかったわ。」
「アゲダが有名だけど、その真似をしたところがあちこちにあるらしいぞ。」
「あら、そうなの。結構インパクトがあるものね。」
「アゲダは夏場しか飾ってないから、見れてうれしいよな。」
「そうね。ちょうど雨だし明るくなっていいかもね。」
「そろそろ、ランチにしようかね。」
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