ポルトのアズレージョの教会のふたり
ドウロ川河口に位置するポルトガル第2の都市ポルトは、
リスボンから北へ約300km、列車やバスで3時間半ほどの距離である。
ドウロ川北側の丘陵地に築かれた、起伏の多い街である。
人口約23万人、この国の商業の中心として栄えてきた。
14世紀から15世紀にかけての大航海時代、ポルトで生産された船団は、
ポルトガルの海軍の発展に大いなる貢献をした。
1415年に、ジョアン1世の子供であるエンリケ航海王子は、
ポルトを出発し、モロッコの地中海に面する港町セウタを攻撃した。
エンリケ航海王子によるセウタ攻略がそれ以後のポルトガルの海外への
雄飛への出発点であった。
アズレージョ(azulejo)は、ポルトガル・スペインで生産される典型的な上薬をかけて焼かれたタイルである。
アズレージョは、途絶えることなしに5世紀もの間生産され続け、ポルトガル文化の典型的な要素となった。
教会、宮殿、一般の家の内や外、鉄道駅や地下鉄駅でさえも見られる。
アズレージョは、壁や床、天井でさえも使われるようになり、ポルトガル建築の多くで主要な要素となっている。
多くは、ポルトガル史の歴史的・文化的要素を記録しているのである。
ポルトのアズレージョの教会は、いくつも見ることができる。
バターリャ広場にあるサント・イルデフォンソ教会もそのひとつである。
ジュルジェ・コラコ(1868年~1942年)はポルトガルを代表するアズレージョ画家のひとりで、
ポルトの玄関口のサン・ベント駅のアズレージョも代表作である。
サント・インデフォンソ教会の前にふたりがいた。
ガイドブックらしき本を広げているので観光客なのかもしれない。
「ねえ、次はどこに行く?」
「そうだな。ポルトの街は見所がいっぱいだからな。」
「ポルトガルに来たらアズレージョをみたいわね。」
「やっぱ、サン・ベント駅のアズレージョかな。」
「大学のそばのカルモ教会もすてきよね。」
「ボクは、君だけで充分ステキだけどね。」
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