カステロ・ブランコの階段のふたり
リスボンのサンタ・アポローニア駅から列車で2時間40分、
セッテ・リオスバスターミナルからバスで3時間程でカステロ・ブランコに着く。
コインブラ、エヴォラ、ポルトからもバスが出ている。
カステロ・ブランコ市は人口約3万人の教区1つから成っている。
基礎自治体としては25の教区があり、約5500人の人口を持つ。
ポルトガルでも面積の広い基礎自治体の一つ。
カステロブランコはベイラ・バイシャ地方の首都である。
スペイン国境から20kmほどの所に位置する町であり、
何世紀にもわたって他国の侵入・占領を受けてきた。
特に1807年のナポレオン軍による攻撃では町は激しく破壊されてしまったため、
歴史的なモニュメントはあまり残っていない。
モンサントを訪れる起点となる町である。
歴代国王の像が置かれている宮殿庭園は旧司教館付属の庭園である。
宮殿庭園(アンティゴ・バッソ・エピスコパル Antigo Paco Episcopal)、
または(Jardim do Paco)。
ポルトガルで最も美しい庭園のひとつといわれている。
18世紀のバロック様式でアズレージョの階段がある。
幾何学模様の植木の間に彫像が置かれている。
市は、冷蔵庫や冷凍庫などを製造するセンタウロ社の本拠地となっている。
ダノンのポルトガル支社がカステロ・ブランコに工場を持っており、イベリア半島全体へ供給するダノンの日配品を製造している。
また、カステロ・ブランコは、脂肪分45%のフレッシュ・チーズ、カステロ・ブランコ・チーズ(Queijo de Castelo Branco)で名高い。
カステロ・ブランコには国立の高等工芸専門学校であるインスティトゥト・ポリテークニコ・デ・カステロ・ブランコがある。
農業、科学、経営、教育、芸術及び健康科学部門がある。
高台にカステロ・ブランコの城跡がある。
山をグルッとまわる長い坂道か、急な長い階段のどちらかで登る。
行きは坂道で上り、帰りは階段にした。
めったに人が通らないらしく、座っていてもジャマになることがない。
その階段の途中にいたふたりである。
「久しぶりね。もうすぐ、卒業だわ。」
「国立の高等工芸専門学校だったね。専攻はなんだっけ。」
「私は健康科学を専攻していたわ。」
「すごいね。就職先は決まったのかい。」
「ダノンのポルトガル支社に決まっているわ。」
「あの世界で有名な会社だね。」
「そうよ。カステロ・ブランコに支店があってラッキーだったわ。」
「忙しくなりそうだね。」
「そうね。がんばらないとね。」
「いつでも気休めに話しに来いよな。待っているからな。」
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