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(ストライブ模様のコスタ・ノヴァ)
Portugal Photo Gallery --- Costa Nova

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コスタ・ノヴァ1
大西洋間近


コスタ・ノヴァ2
入り江

コスタ・ノヴァ3
釣り

コスタ・ノヴァ4
足こぎバギー



コスタ・ノヴァ5
バギー用の道


コスタ・ノヴァ6
舟の形のベンチ

コスタ・ノヴァ7
コスタ・ノヴァの町

コスタ・ノヴァ8
レストラン



コスタ・ノヴァ9
コテージ


コスタ・ノヴァ10
シマシマ模様

コスタ・ノヴァ11
グリーンのシマ

コスタ・ノヴァ12
ストライブの家

コスタ・ノヴァ13
ポスト

コスタ・ノヴァ14
みやげ店

コスタ・ノヴァ15
店番

コスタ・ノヴァ16
店先



コスタ・ノヴァ17
市場の魚屋さん


コスタ・ノヴァ18
新鮮が売り

コスタ・ノヴァ19
たくましい腕

コスタ・ノヴァ20
売り手は女性



コスタ・ノヴァ21
常連客


コスタ・ノヴァ22
人気の魚屋

コスタ・ノヴァ23
大盛りのエビ

コスタ・ノヴァ24
色鮮やかな果物



コスタ・ノヴァ25
モデル歩き


コスタ・ノヴァ26
地面から出る噴水

コスタ・ノヴァ27
仲良し

コスタ・ノヴァ28
アイスクリーム



コスタ・ノヴァ29
やっぱりアイス


コスタ・ノヴァ30
バックシャン

コスタ・ノヴァ31
赤いシャツ

コスタ・ノヴァ32
少年たち

コスタ・ノヴァ33
こっちむいて

コスタ・ノヴァ34
キヨスク

コスタ・ノヴァ35
初孫

コスタ・ノヴァ36
チョロス

☆コスタ・ノヴァの説明 (写真の上をクリックすると大きな写真が見れます。)☆
アヴェイロから約7km、リアの先の海岸に面した小さな町。
アヴェイロからバスで40分ほどである。
メインストリートには、赤、青、黄色などストライブ模様に塗られた
カラフルなコテージが並んでいる。
中には、築100年以上たつものもあり、現在は別荘などになっている。
すぐ裏には広いビーチが広がり、夏には家族連れが海水浴に訪れる。

「ポー君の旅日記」 ☆ ストライブ模様のコスタ・ノヴァ ☆ 〔 文・杉澤理史 〕

≪2008紀行文・30≫
    === 第八章●ポルト起点の旅 === ストライブ模様のコスタ・ノヴァ

          《乗合バスでコスタ・ノヴァに向かう》

 6月22日(日)。ポルトガル北部にある第2都市〈ポルト〉の朝は、夏期であったがどんより曇り、底冷えして寒かった。 [サン・ベント駅]から列車に乗って、6年振りに訪ねた[アヴェイロ旧駅舎]の外壁全体に飾られたアズレージョを 堪能した昼前には、夏場の日和に回復してくれた。 アヴェイロの町は、ポルトガルでは珍しい坂道がなく平坦で、歩くには快適であった。 それに、石畳模様が美しく楽しませてくれた。 特に、予期せぬ露天骨董市に遭遇し、相棒の写真撮りまくり天国になった。

 朝食抜きの腹が騒ぎ、露天骨董市が開かれている裏路地の小さなカフェレストランに入る。 奥が深く天井が高い店であったが、何より嬉しいのは、美味そうな香りで満ちていた。 それが、気にいった。周りの客を観察していた相棒は、昼食を皆が食べていたオムレツに決めた。 オムレツ(5.8ユーロ)一皿に、サグレスのグラスビールとスプライト1缶(2.35ユーロ)だった。 一皿のオムレツをふたつに分けて食べた。一皿の量が多いこともあるが、それが、ケチケチ旅の基本でもあった。

 食事中、地図を見ていた相棒の思いつきで、水郷の町〈アヴェイロ〉の中央運河沿いにあるバス停から 〈コスタ・ノヴァ〉行きの乗合バス(往復3.2ユーロ)に乗った。 旅は何時も、流動的であった。 晴れ渡った空のもと、観光客を乗せた色鮮やかな小舟モリセイロが、忙(せわ)しく運河を行き交っている姿が 車窓から見える。 夏場の運河には活気があった。 6年前の冬場に来た時は、閑古鳥が鳴いていた。 その原因は冬場ということもあるが、何より通貨切り替え時の真っただ中にあったとも考えられる。 ヨーロッパの単一通貨がポルトガルではエスクードから全面的にユーロに切り替わったばかりの年であった。 2002年3月1日からすべての支払いはユーロのみになる、その年の1月〜2月の旅であったため、 ユーロとエスクードの硬貨がポケットの中で混ぜ込みになり、支払い時はゴジャゴジャしたものだ。

 「けいの豆日記ノート」
 以前、何かのパンフレットのシマシマ模様の家の並ぶ風景を見たことがあった。 おもしろいなあと思いつつ、どこなのかわからなかった。 海岸には、違いないだろうがどこの海岸なのだろうと思っていた。 それが、違うパンフレットで、コスタ・ノヴァであることを知った。 アヴェイロの近くにあることもわかった。 今度アヴェイロに行くときには、コスタ・ノヴァにもいってみたいと考えていた。

          《大きな入り江の潟(がた)風景》

 乗合バスの車窓は、細くなったり太くなったりする運河の連続であった。 トゥリズモで貰った地図を見ると、コスタ・ノヴァはすぐ近くにある。 だが、大西洋から流れ込んでいる海流に浸(ひた)る広大な潟(がた)は、まるで両つめを左右に広げる蟹の形をしていて、 その左側のつめに当たる大西洋と運河にはさまれたコスタ・ノヴァまでは30分もかかった。 この潟の大きさは宇宙であった。ポーは唖然とし、その景観に感動すらした。  かつて、この潟すべてが大風波で埋没し、再び大風波で蘇(よみがえ)った歴史がこの地で起こった。 その自然現象の喜怒を神風が起こしたと伝えられている。

 「けいの豆日記ノート」
 バスの時刻表は地図といっしょにトリズモ(インフォメーション・案内所)でもらうことができた。 はじめは歩いていける距離かなと思っていた。 大理石の採石場をみるために歩いたことを考えると行けそうな気がした。 でも、バスで30分もかかるところは歩くのは無理かもしれない。 後から気がついたが、レンタル自転車が町の中を走っているのを見た。 時間があれば、自転車で1日中、町の中を走るのもいいかもしれない。

          《ストライブ模様に唖然》

 コスタ・ノヴァのバスターミナルに着いた。ポルトガルブルーの広々とした空からは 燦々(さんさん)と輝く太陽が運河沿いの、コスタ・ノヴァの町を包んでいた。  この町を訪ねた者は誰もが驚き、感嘆の声を発するに違いない。 吃驚(びっくり)!シャックリなのだ。目が点になるほどの景観であり、予想外の展開であった。 運河に面したほぼ全ての建物の前面壁面が、白赤青黄緑などの色彩で塗装されている。 それも、それぞれの色の全面塗装ではなく、白を基盤にした上に色鮮やかなストライブ模様で描かれた縦模様であり、 横模様で仕上げてあった。

 しかも、隣同志が同じ模様であっても色彩を変え、色彩が同じであれば模様を違える配慮がされた街並みが、 100メートル以上もつながっているのだった。 どうしてストライブ模様で色付けをしたのか、また町全体で始めたのだろうか。 興味がありお店の人びとに聞きまわったのだが、聞きだせなかった。 語学力不足のせいもあったが、「昔から・・・」との返事が多かった。

 ストライブ模様の連なる建物は民家や別荘、それに商店で成り立っていた。

 赤縦模様 ●レストラン(店前に赤いパラソルとテーブルとイス。観光客がビールを飲み会話に花が咲いていた)。

 緑縦模様 ●カフェ(店前に白いパラソルとテーブルルとイス。楽しげな若いカップルがキスをしていた)。

 黄横模様 ●アイスクリーム屋(暑いので食べたくなる。相棒があっちこっち撮りまくっていたので買えなかった)。

 青横模様 ●ファッション店、釣り具店(目の前の運河で海の魚が釣れるらしい。確かに、運河岸に釣り人が多かった)。

 青縦模様 ●ペンサオン(3階建の洒落た宿。ここに泊って、釣りをし、市場で買い物がしたかった)。

 緑横模様 ●市場 ○魚屋(売り子はおばちゃんたち。アジ・タイ・タコ・イカ・ワタリガニ・ウナギなど)。

             ○果物屋(売り子はおばちゃんたち。スイカ・バナナ・オリーブ・リンゴ・オレンジ・メロンなど)。 

             ○八百屋(売り子はおばちゃんたち。玉葱・じゃがいも・キャベツ・トマト・ナス・ピーマンなど)。

 黄縦模様 ●陶器屋(近くの村にあるポルトガル磁器生産のヴィスタ・アレグレ社の磁器製品が売られていた)。

 ストライブの建物にはさまれた小道の坂道を上って行くと、坂の頂上から白い砂浜が見え、その先に大西洋がキラキラ輝いて迫って見えた。 ここ、コスタ・ノヴァは運河と大西洋にはさまれた地図上の、蟹の左つめの位置にあるのだと納得した。 アヴェイロに戻る乗合バスの若い女性運転手を見て驚いた。 下着かと思える上半身の姿にドキリとした。 午後3時40分発、軽やかなハンドルさばきで30分後、アヴェイロの運河沿いのバス停に戻った。 まだ、太陽は天上で輝いていた。暑い陽射しであった。

 「けいの豆日記ノート」
 コスタ・ノヴァの常設市場を見つけた。 中に入ると、店は魚屋ばかりであった。 売り手は女性ばかりであった。 どこの町でも働いているのは女性と決まっている。 海の町だけあって、魚も新鮮であった。 祭りが近いこともあってイワシがたくさん売っていた。 イワシの豊作の時期ということもあり、サバのように大きなイワシがゴロゴロしていた。 グラム売りなので、無造作にビニール袋につめていく。 最後に「1匹おまけしておくよ。」という感じで余分に入れているみたいであった。 体格同様、太っ腹な商売が人気なのだろうと思う。

          《こんな日曜日であった》

 アヴェイロに戻っても、午後4時10分だ。時間はたんまりあった。夕暮れは8時過ぎである・・・・。  再び露天骨董市を見て回り、カフェの路上テラスでサグレスのグラスビール(1.4ユーロ)と ガラオン(1.5ユーロ)を頼み、時間をかけて飲む。 路地の狭い空間から見える青い空を眺め、骨董品を探し求める行き交う人たちを目で追いかける。 運河を走るモリセイロのエンジンの音が、いくつもの路地を屈折して軽やかに伝わってくる。 至福のひと時であった。その時、軽やかなリズムを刻む音楽が流れてきた。拍手の音も混じって聞こえた。 相棒の腰が浮いた。走り出した。

 広場が住民の憩いのオアシスになっていた。 ステージがあり、次々に音楽に乗ってダンスショーがくりひろげられていた。 子供から若者、中年の女性群までが、この日のステージで演じるための練習に耐えた至福のステージが展開していた。 プロダンサーではない、市民のダンスショーであった。拍手の観客は、勿論、家族であり親族である。 孫娘の名前を叫ぶ爺さんもいる。「マリア〜!」(よくある名前である)

 「けいの豆日記ノート」
 コスタ・ノヴァからアヴェイロに戻るとステージでイベントをやっていた。 午前中に見たときには、やっていなかた。 このダンスショウもサンジョアン祭のイベントのひとつなのだろうか。 偶然でも見ることができてラッキーだった。 ステージより、観客のほうがおもしろかったが・・・

 あのアヴェイロ旧駅舎のアズレージョをもう一度眺め、6時17分発の列車でポルトのサン・ベント駅へ。 7時50分着。ホームに降りたら、寒さが足元から忍び寄って来た。
相棒がポーの、ぽっくり膨らんでいるリュックを背後から奪い取り、 中からモコモコ冬仕度の服を取り出して、着た・・・・。

                              *「地球の歩き方」参照*

終わりまで、旅日記を読んでくださり、ありがとうございます。 次回をお楽しみに・・・・・・・2012年1月掲載

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