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サンタ・クルス (マデイラ空港)
Portugal Photo Gallery --- Santa Crus
≪マデイラ島の地図≫ |
☆サンタ・クルスの説明 (写真の上をクリックすると大きな写真が見れます。)☆
マデイラ島の空港のある町である。
檀一雄の愛した町のサンタ・クルスと同じ名前である。
リスボン、ポルトのほかに、ヨーロッパ各都市からも定期便が出ている。
フンシャルまで、空港バスが走っている。30分ほどで、フンシャルに到着する。
海の上の橋に滑走路が造られている。
「ポー君の旅日記」 ☆ フンシャル2 ☆ 〔 文・杉澤理史 〕 ≪2006紀行文・21≫ 《ミラおじさんとの別れ》 憧れだったポルトガル領のマデイラ島に来てから6日目。
ポルトガルの首都リスボンから1000km南下したマデイラ島は、ア
フリカ大陸の北部モロッコの西海岸にある映画好きには忘れられないタイ
トル〔カサブランカ〕沖に浮かぶ《大西洋の真珠》と呼ばれる島だ。1時間
半の飛行があった。 宿の主人ミラおじさんが朝食時に言った。
「今日で会えなくなるんだね、ケイコ」
寂しげな瞳がうっすら濡れていた。スクランブルエッグを持つ皿が心な
しか小刻みに揺れている。焼き立てのパンを頬張りながらポーはミラおじ
さんの優しさを感知していた。日本からフラりやってきた日本人に宿の主
人は心を配ってくれ、いつもやさしく接してくれた。最上階の見晴らしの
よい部屋を与えてくれたのも、このヨーロッパ屈指のリゾート地の島で、
格安の宿泊代にしてくれたのもミラおじさんの優しさからだった。 「けいの豆日記ノート」 《フンシャルの最後の散策》 燦燦(さんさん)と輝く真夏日のような陽が、真っ青な空から照りつけ
ていた。マデイラ島の首都フンシャルにいる我々に天が与えてくれた夏び
より模様だ。充分に楽しんでいけと思わせるマデイラ島フンシャル最後の
日の、歓送日和(かんそうびより)ともいえた。 ラヴラド−レス市場は相変わらず市民と観光客で賑わい、華やかさがあ
る。売り声にも南国らしい明るさに満ちていた。一日中、賑わっている市
場はほかに知らない。市場前の狭い通りは、バスやタクシー、小型の自家
用車、歩く人々であふれ島の中心地フンシャルを盛り上げているようだっ
た。この活気は本土にはない。ヨーロッパ各地から季節を問わず長期滞在
でやってくる人々が狭い坂道だらけの避暑地に集結するのだから、一年中
混み合っているのは当然なのかもしれない。 急坂を登っていた。喧騒(けんそう)の中心地からちょっと石畳の坂道
に入れば車の音もしない静寂な市民の住宅地だった。市民にとってはこの
急な坂道が毎日の生活圏なのだ。その坂道に沿って家の中に入る玄関ドア
が並ぶ。坂道なのでドアの下には水平に作った足踏み場がある。水平な足
踏み石を見ればいかに急坂に家が建っているかがよく判る。
その足踏み台に座りおじさんが坂下になった右足を踏ん張りながら、片
手にサグレスビールを握りしめ声をかけてきた。 「けいの豆日記ノート」 《急坂の上には、城壁があった》 相棒と更に急坂を登っていくと、城壁跡が見えた。
ピコ要塞だった。誰もいないこの要塞はガイド本にも載っていなかった。
石畳の通路をヘトヘトに息も絶え絶えに登り詰めると、緑いっぱいの庭に
出た。オリーブの木が並びその先に15m程の石積みの要塞が美しい曲線
を描き青空に溶け込んでいた。近づくと小さな城門があった。中に入ると
空洞の部屋になっていて何もない。要塞には受付もなく人もいない。 「けいの豆日記ノート」 青空に11月の入道雲が真っ白にわき、蒼い大西洋が陽射できらめく。 その空と海の境になだれ込んだ溶岩の岬が黒く見え、目線を手前に引くとフ ンシャルの家並みが白い壁とオレンジの屋根を重ねフンシャル港まで連なり、 港に停泊する巨大な豪華客船が視野に入る。豪華客船から目を左に転じると、 家並みが急斜面の山に向かって軽やかに波が打ち寄せるようにはい上がって いくように展開する。 フンシャルは島とは思えない広大な美しい≪都市≫であった。 『ポー、マデイラ島の神様がくれた景観だね』 相棒が珍しく城塞で、感傷的に吐いた。ポーは、素直に頷いた。 30mもあるレンガ色の煙突が公園の中央ですくと天を突く。青空に浮か ぶ白い雲をつらぬくほど高かった。何に使われた煙突かはわからない。 街中のスーパーマーケットに立ち寄った相棒は土産を買った。チョコレー トだった。空港で買うより同じ製品が格安だったからだ。下調べはポーが知 らぬ間に調査ずみだった。相棒は常に先を見透かしての行動力がある。カメ ラマンの職業病?かもしれない。この病(やまい)がないと一流カメラマン にはなれないとポーは確信している。 「けいの豆日記ノート」 《マデイラ最後の食事》 午後1時を告げる教会の鐘が鳴った。
フンシャルはリゾート地、マデイラ島の高級料理を食べようと思えば至る
所に高級レストランはある。(いちど入ってみたいとは思ってはいたが・・)
今までポルトガル各地を旅してきたが、その機会がなかった。財布を握って
いるのが相棒だった。だから、ポルトガル料理で何が美味しいの?と聞かれ
るのが一番つらい。高級料理を知らなかったからだ。聞かれたとき返す言葉
はいつもひとつしかない。それは、鰯の炭火焼が最高だと答えるしかない。
レモンを絞るとジュ−と音をたて、香りが飛び散るあの瞬間が好きだと。そ
して、頭からがぶりと食らいつく。至福のまいうー!だ。(本当にうまい!) 中華店からセシリア嬢の高級ホテルを通りぬけると5分もかからず5泊の
宿ミラソルに出た。(セシリア嬢との出会いは、前回を)
預けておいた大型旅行バック2つを宿の外に出した。奥さんのイネスさん
は別れを惜しんで坂道で送ってくれたが、宿の主人ミラおじさんの姿はなか
った。奥さんが言った。部屋で泣いている、と。また必ずケイコが会いに来
てくれると・・・。男は泣き顔を見せたくない、って部屋で別れを。そんな
人なの、許してやってね、と笑って奥さんが見送ってくれた。 *「地球の歩き方」参照*
終わりまで、旅日記を読んでくださり、ありがとうございます。 次回をお楽しみに・・・・・・・2009年6月掲載 |
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