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(大西洋の真珠・フンシャル 1)
Portugal Photo Gallery --- Funchal 1
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町の説明の前に・・・≪マデイラ島の豆知識コーナー≫
≪ポルトガルからマデイラ島までの距離≫ |
@ 「大西洋の真珠」と呼ばれるマデイラ島は総面積が約740平方キロ、
東西の長さは57キロで、南北が23キロ。 |
≪マデイラ島の地図≫ |
☆フンシャルの説明 (写真の上をクリックすると大きな写真が見れます。)☆
マデイラ島の南東に位置するフンシャルの町は、港に面した山の斜面に広がっている。
町の名はこの地にたくさんのフンショFuncho(ウイキョウ)が生えていたことに由来する。
メインストリートは、アリアガ通りである。
マデイラ島を再発見したザルコの像が海に向って立っている。
春にはジャカランダの花が満開になり、通りは紫色に染まる。
「ポー君の旅日記」 ☆ 大西洋の真珠・フンシャル ☆ 〔 文・杉澤理史 〕 ≪2006紀行文・17≫ 《ヨーロッパで大西洋の真珠と呼ばれるマデイラ島に行く》 小雨舞う肌寒い11月3日(金)の早朝、宿のフロントで宿泊代を支払 う相棒がいた。『タクシーをお願いします』頷いた夜勤担当の青年は大学 生風だ。モーニングが取れないので『オレンジジュースもらえる?』と空 のペットボトルを相棒が差し出すと、青年は食堂に駈けこみ口元まで一杯 にして持ってきてくれた。当然、相棒から感謝の折り鶴が青年の手のひら に舞った。折り鶴を眺める青年の笑顔を残して宿を出た。 タクシーは小雨を突いて早朝のリベルダーデ通りを北上する。ポンバル 侯爵公園に立つポンバル侯爵の像を右折してリスボン空港に向かった。 『ポー、オレンジジュース飲もうよ。機内持ちこみ禁止だから、没収され
るだけだからさ、もったいなよ』
相棒はペットボトルの蓋をクルクル廻しながら言った。
ペットボトルは勿論のこと、化粧品や乳製品など器に入った液体は機内
持込禁止で没収だと日本を発つとき名古屋のセントレア(中部国際空港)
で説明があった。
相棒が美味そうにゴクリゴクリと飲みだした。横顔のうしろの窓ガラス
に小雨の粒が張りついて横に走っている。ぺットボトルを渡されポーも1
口飲む。何も入っていない胃袋に冷たいオレンジジュースが流れ込むのが
判る。 「けいの豆日記ノート」 満席の飛行機は南下した。1時間半後、アフリカ大陸に近い(モロッコ
沖700km)ポルトガル領のマデイラ島が眼下に見え、滑走路を機体の
車輪がガ−アと噛んで止まった。こじんまりとした空港だった。
タラップを降りると11月だというのに真夏の太陽が待っていた。空は
真っ青だ。滑走路の背後は空に向かって民家が連なっている。
ヨーロッパ各地から暖かさを求めてマデイラ島に直行便でやって来た人
々で空港ロビーは賑わっていた。フンシャル空港は小さな国際空港だった。
日本人の姿は見あたらない。タクシー乗り場から潮が引くように人々は中
心都市フンシャルへ向かっていった。 「けいの豆日記ノート」 《フンシャルの宿・ミラおじさんに会う》 空港バスはフンシャルの海岸通りで止まった。小雨が降る肌寒いポルト
ガルの首都リスボンからは1000kmもの距離があるフンシャルは、タ
ンパンで半袖姿の観光客があふれ、海岸通りに並ぶ大きなレストランはど
の店も人々の笑顔が弾け、その背後の紺碧の海にはヨットやクルーザーが
波を切り、街中を観光バスや市営バスが走りまわり活気にあふれていた。
海岸通りは、将に夏模様だった。 ブレーキの音がした。黄色い車体のタクシーだった。大きな旅行バック
を持っていればタクシーの運転手は見逃すわけがない。小太りの運転手は
トランクを開け素早く旅行バックを積み始める。そして、何処まで行く?
と聞く。その早業(はやわざ)に相棒の顔が笑っていた。 「けいの豆日記ノート」 相棒がガイド本で探し当てた宿は〈ペンサオン・ミラ・ソル〉。一泊2
人で30ユーロ(4800円)だ。勿論モーニングつき。ちなみにフンシ
ャルを代表する5つ星のレイズ・ホテルは一泊395〜630ユーロ(6
3200円〜100800円)。 重い旅行バックを主人と体格のよい女性が運んでくれた。2階ではなく
3階だった。『えっ、3階?』相棒がポーを見た。屋根裏部屋だから安い
のかもしれないとポーはかえす。3階の部屋に案内され相棒は感嘆した。
この宿の最上階にあるただひと部屋だけのベランダ付きスイートルームに
主人は案内してくれたのだ。 「けいの豆日記ノート」 《楽園の街フンシャルを散策する》 ミラおじさんの笑顔に見送られ宿を出た。宿を真下から見ると2階にし
か見えなかったが離れて見ると2階の上にとんがり帽子の屋根があった。
そこが3階の「ケイコの部屋」だった。
坂道を下ると小さなカフェがあり、入り口の椅子に座って「ボアタルデ」
とおばあさんが声をかけてくれた。『こんにちは!』と、ポーが返した。
おばあさんの方から声をかけてくるなんて初めてだ。太陽が1年中照り続
ける島のおばあさんは心も明るいのだろうか。相棒はカメラを向けていた。 目抜き通りアリアガ大通りに出た。高さ10mもあろうかジャカランダ の並木道が緑の葉をトンネルにして太陽に照り輝いていた。ジャカランダ の花をはじめて見たのは初代ポルトガル国王が生まれた町〈ギラマンイス〉 だった。その時、桜かと思った。フンシャルでは4月から6月にかけて咲 き誇ると聞く。カテドラル(大聖堂)の前にある広場では大きなクリスマ スツリーの、赤と青の円錐形オブジェの飾り付け中に出会う。高さは10 mほどで底辺は直径5m強。照明が入れば凄いツリーだろうと思う。島に いる間に色鮮やかさを見たいものだ。 カテドラルに入ると涼しさが足元から這い上がって来た。薄暗い広々と したドームの正面には大きな黄金色の祭壇が浮かび上がっている。外光が 入らない造りになっていた。15世紀末にキリスト騎士団によってポルト ガル本土以外で初めて造られたというカテドラルだった。 広場の周りにはレストランやカフェがあり、それぞれの店先にはオープ ンテラスが設けられ、生い茂るジャカランダの木蔭で観光客が昼下がりを 楽しんでいた。 トリズモ(観光案内所)のマークが飛びこんできた。旅人のオアシスだ。 地図と資料がもらえるし、泊まれる宿まで親切に教えてくれる。トリズモ には美人が多く親切だった。今まで5年間の旅でどれほどお世話になった ことだろうか。60ヶ所は立ち寄り沢山の情報をもらった。長い黒髪に黒 い瞳が輝き微笑む。美人だ。お礼にあげた折鶴を見詰める姿は絵になった。 相棒のカメラが当然鳴っていた。 「けいの豆日記ノート」 トリズモの彼女が教えてくれた17世紀の修道院を 改造したというサン・フランシスコ酒蔵はすぐそばにあった。フンシャルで 一番古いワインロッジだという。なかなか入手困難なマデイラワインの宝 庫だ。薄暗い照明に浮かぶ店内の棚には何千本ものワインが並べられ、試 飲する人で賑わっていた。試飲したら買わなければならない雰囲気なので 飲んでみたいと思ったが無駄なお金を使えない撮影取材の旅だ。店内の撮 影だけをして店を出た。美味そうなワインの香りが鼻先に残った。 資料によると16世紀の中頃からこの島に立ち寄る船は地酒を積みこみ
出航したという。酒に含まれていたミネラルなどが偶然船員の壊血病を防
いだらしい。その酒が赤道を通過すると味が変わり旨味が増した。赤道直
下の太陽の熱さと船の揺れで樽の酒が発酵したらしい。 酒蔵を出るとアリアガ通りを挟んでサン・ローレンソ要塞がありその前 を西日を浴びて40人ほどの団体観光客が歩いてきた。一見して金持ちの お年より軍団だと判る。今日入港した豪華客船でやって来てのフンシャル 散策に違いない。フンシャルヨットハーバーの先に4つの豪華客船が停泊 していた。こんな風景は見たことがない。マデイラ島だからこその贅沢な 光景だった。愛知県知多市新舞子に住んで25年になるポーだが・・・・ ポーが住む新舞子の目の前に広がる伊勢湾を名古屋港に向かう1日に何百 という船舶が見られるけれど、豪華客船はたった1回目撃しただけだった。 だから目の前に展開した風景は豪華絢爛な光景であった。 ピンクにオレンジが混ざった夕景色が斜面に建ち並ぶ家々の白い壁に溶
け込み別世界のフンシャルを描きだした。まるでパステル画を見ているよ
うだ。 「けいの豆日記ノート」 相棒が買った一覧だ。レタス1ヶ0.28、メロン半分1.26、オレンジ2ヶ0.50、
トマト2ヶ0.41、ケーキ1.81、菓子0.99、ヨーグルト2ヶ0.22、
水2リットル0.19、赤ワイン1本2.09ユーロ、計7.75ユーロ(1240円)。
サラダを山ように作り日本から持参のキューピーマヨネーズをたっぷり
かけて食べた。334円の赤ワインはポーが飲み、大きな201円のメロ
ンは相棒が一人で食べ尽くした。豪華な夕食であった。 *「地球の歩き方」参照*
終わりまで、旅日記を読んでくださり、ありがとうございます。 次回をお楽しみに・・・・・・・2009年1月掲載 |
掲載済み関連写真===≪ポルトガル写真集≫2006年版旅日記
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