小さな画面をクリックすると、大きな画面&コメントのページになります!
☆ポルトの説明 (写真の上をクリックすると大きな写真が見れます。)☆
ポルトガルの第2の首都ポルトは、ヨーロッパ大陸最西端の首都リスボンにつぐ都市である。
リスボンの北300km、ドウロ川の北岸の丘陵地に築かれた、起状の多い街。
坂の多さは『7つの丘の街』と呼ばれるリスボンにも劣らない。
名実ともにポルトガル発祥の地がここポルトである。
「ポー君の旅日記」 ☆ 冬のポルト ☆ 〔 文・杉澤理史 〕 太西洋に面したポルトガル共和国の第2都市ポルトについたのは真夜中だった。
名古屋からの直行便がないためドイツのフランクフルト空港で7時間余り待機し、乗り継いできた。 1月末のポルトは名古屋から着てきた服装がそのまま通用する気候だ。
朝夕は冷え込むが昼は暖かかった。ホテルを出て石畳を下った。
絵を見ているような美しい坂道空間。
早朝に来た清掃車がゴミ回収と散水で人が寝ている間に絵空間にしていたのだ。「これってすごい!」
坂道を下っていくと常設の市場があった。ボリャオン市場。
「ラッキー!」とけいちゃんは素直に歓喜した。市民の生活の市場だった。
カメラのファインダーに目がいくとけいちゃんはいつも『魔神』になった。
シャッターの音が心地よく響く。 市場の構内は2階建て。
所狭しと小さな売り場が円を描いて連なり、まるで遊園地のように楽しい。
魚・野菜・果物・肉・燻製・花・オリーブ・雑貨など日用品ばかり。売り手は女性。買い手も女性。
市場は女性天国だった。 けいちゃんにとっては、まさに天が与えてくれたオアシスだった。
人物写真がけいちゃんの守備範囲。
その人の『今』をフィルムに焼き付けるのが得意だった。
3時間近くけいちゃんはここを離れなかった。
時間があれば1日いたかもしれないとポーは思った。 毎日、歩きに歩いた。1日2万歩は軽い。
人と素敵な出会いをするには、歩くしかなかった。
いつも出会いは歩きのなかでやってきた。それも突然やってくる。
そのチャンスをモノにできるかどうかだけ。
昼食は果物。市場でおばさんから買った。特に果物は安くてうまい。 川沿いのレストラン通りカイス・ダ・リベイラを歩いた。
小さなレストランが列車の窓みたいに連なっている。
『夕日を見ながら食事したら楽しいだろうな。』とポーは歩いた。歩いただけだった。
余裕あるお金はなかった。今晩何を食べるかも決まっていない。
『観光じゃない。仕事で来たんだ。』と自分に言い聞かせた。
けいちゃんはドン・ルイス1世橋を背景に釣り人を撮っていた。 翌朝もドウロ川に面したカイス・ダリベイラを歩いた。
朝もやの川の上にセンスを広げたようなドン・ルイス1世橋が美しい曲線を描いていた。
かもめが白い空に溶け込んで飛ぶ。釣り人がシルエットで銅像のように動かない。
頭に大きな荷物をのせて歩いてくる老婦人の影が白い壁に映る。
けいちゃんが放つ音が朝もやに軽やかに消えていった。
眠さをこらえて早起きしたけいちゃんの勝利だった。 食後、ベランダに出た。高台にあるこのホテルからの景観はいい。
眼下にあるサン・ベント駅から列車が出発していくのが見えた。
駅の構内の壁を飾っているのは『アズレージョ』タイル画だ。
20世紀初め修道院の跡地に建てられた駅舎。そのままを残して置いた。
歴史は1度壊したら決して戻らない。
通勤客が行き交うなかでポーとけいちゃんはホールの壁を仰いだ。 ホテルの前からバスに乗ってドン・ルイス1世橋を渡り対岸にあるノッサ・セニョール・ド・ピラール修道院に行く。
眼下に広がるドウロ川とそこから雄大に町並みが天空に駆け登っていく歴史的空間が見たかった。
バスから降りて坂道を登った。修道院の中庭を抜けた。
この高台から見たいと言ったのは、けいちゃんだった。
歩いていくと眼下に期待の夢が広がった。
|
・・・ポルトガル写真集・ワイン船の町のポルトはこちらからどうぞ
・・・ポルトガル写真集・牛串刺しの誘いのポルトはこちらからどうぞ
☆ ポルト Porto シリーズです ☆
ポルト1
・ポルト2
・ポルト3
・ポルト4
・ポルト5
・ポルト6
・ポルト7
・ポルト8
・ポルト9
・ポルト10
・ポルト11
・ポルト12
・ポルト13
・ポルト14
ホーム ★ ポルトガル豆知識 ★ プロフィール ★ ポルトガル写真集 ★ 写真展案内 ★ ポー君の豆日記 ★ 今月の1枚 ★ リンク ★