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(リマ川の女王のヴィアナ・ド・カステロ)
Portugal Photo Gallery --- Viana do Castelo

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ヴィアナ・ド・カステロ1
レプブリカ広場

ヴィアナ・ド・カステロ2
アゴニア教会

ヴィアナ・ド・カステロ3
ミゼ・リゴルディア教会

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サンタ・ルジア教会

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バラ窓

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神の言葉

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リマの女王

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大西洋

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神の階段

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路地裏

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空中遊泳

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メッセージ

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クラスメイト

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なかよし

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いつものティータイム

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ぼくの友だち

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光の中で

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白い客船

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角のレストラン

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ヴィアナ・ド・カステロ駅

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駅舎

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祈りのお土産

ヴィアナ・ド・カステロ23
いちご大好き

ヴィアナ・ド・カステロ24
レジスター

☆ヴィアナ・ド・カステロの説明 (写真の上をクリックすると大きな写真が見れます。)☆
ポルトのサンベント駅から列車で1時間半から2時間のところにある。
ミーニョ地方はポルトガル発祥の地として知られている。
そのミーニョ地方の中心としてあるのがヴィアナ・ド・カステロである。
リマ川が大西洋に流れ込む河口に開けた、別名「リマの女王」と呼ばれる町である。
ヴィーニョ・ヴェルデというワインの産地でもある。

「ポー君の旅日記」 ☆ リマ川の女王のヴィアナ・ド・カステロ ☆ 〔 文・杉澤理史 〕

  

 トリズモ(観光案内所)のマークを発見。 そこで地図と資料をもらい、青空が広がるポルトガルの北部ヴィアナ・ド・カステロの町に相棒の写真家が飛び出した。 2004年4月22日(木)の午後だった。 相棒は青空が好き。光と影のバランスが好きだった。もらった地図を凝視。頭に叩きこむ。 地図には、めっぽう強かった。方向音痴のポーには信じられない技だ。 相棒はまさに《犬》だった。
 名古屋からFAXで予約しておいたペンサォン(簡易ホテルのようなもの)[ラランジェイラ]。 駅からのメインストリートのコンバテンテス通りを下って100mもしない左手の狭い路地を入った右手にあった。 小さい。それが第一印象だった。安いので決めたホテルだ。小さくても異存はなかった。 部屋は2階(実際は3階。日本の1階が0階だから)。 窓を開けると目の前に山が迫り、頂上に教会の建物が青空に包まれていた。もらった地図を見た。 サンタ・ルジア教会だった。 『あそこに行くよ、ポー』10分の休みもない。  決めたら、行く。それが、旅の決まりだったし、初めての町に来たらまず高台に登るのが鉄則。 トイレで用をたし、即、出発だ。

 「けいの豆日記ノート」
 いつも、ホテルは日本から、FAXで予約しておく。 ホテルといってもペンサォンというホテルと民宿が混じったようなところだが。 ネットからも予約できるが、ネットに登録されているホテルは、高い。 現地で見つけるともっと安いホテルがあるという。 でも、荷物を持って、ホテル探しは、たいへんだし、時間がもったいない。 当たり、はずれはあるが、ある程度はしかたがないことだと思う。 値段優先なので。 たまには、リッチな旅がしたいなあ。

 地図が頭の中にある相棒はカメラ片手にスタスタ先を歩く。歩幅が狭いのに早い。 駅まで5分もかからない。線路をまたがる通路を渡ると、北側の大きな建物に通じていた。  出来立てのショッピングセンターだった。 天井の高い広い通路の両側には、レストランやスポーツショップ、ファッション店に色とりどりのアイスクリーム店、 携帯のボーダホンショップなどがゆったりした空間を飾っている。 観光客はいない。地元の若者の姿も見当たらない。 この小さな町の人たちはこの空間についていけるのだろうか、と不安になるほどの異空間だった。 階下はバスターミナルになっていた。 もらった地図には載っていなかったが新名所になるのだろう。

 「けいの豆日記ノート」
 こんなところに、ショッピングモールがあるとは思わなかった。 食品などの生活用品のスーパーが1階にあって、上の階は、個別の店になっている。 スーパーマーケットはともかくとして、上の階の店はけっこう高い。 物価が安いポルトガルといわれているのに、高かった。 買う人いるのかなあ。 見ているだけなら、楽しいけどね。

 駅の北側に出来たショッピングビルを出ると、東西に4月25日通りが走り、その向こうに大きな病院が見える。 その通りを右に10分程歩いていくと、山に向かって廃線になっているケーブルカーの線路がある。 (2006年に再開されるという話もある) 更に進むと、小さな古びた看板があった。 [Tempio de Santa Luzia]と、うっすら読めた。 そこから山に向かって道幅2mほどの石段がまっすぐ伸びていた。 両サイドは民家の白い塀で囲まれている石段だ。 『さっ、何段登るのかな〜、行くぜ!』と写真家。《犬》は威勢がよかった。 写真を撮りながら、ルンルン先へ先へと登って行く。 『ポーの姿が見えないほど先に行くなよ』約束ごとだった。 何かあったら、助けられないからだ。〈ポーは、用心棒なのだ。〉一段また一段と数えながら登った。 200段で小休止にした。『とまれ〜!』と上に向かって叫ぶ。 相棒が、足を止めるのが見えた。 『大丈夫〜う?』と声が上から、降りてきた。 まだ半分も登っていない感じだ。汗が頬をつたって落ちる。5分休んで出発。

 「けいの豆日記ノート」
 やはり、初めての町は高いところに登るのが1番である。 どこでも、城跡は山の頂上とかの高いところにある。 日本でもお城は高いところにあるものね。 高いところが1番、安全ということなのかな。 教会に続く道は階段が多い。 延々と続く階段は、見ているだけでも疲れる。 でも、登らないとね。 先になにがあるのか楽しみだ。

 坂の両サイドの塀が林に変わり、石段も丸太で組んだ土段に変わり急勾配になってきた。 青い空に白い雲がゆったりと遊んでいる。 そして、巾5mほどのアスファルト道路に出た。 タクシーが目の前を走り去っていった。 タクシーなら駅から頂上まで10分ほどか。 往復8ユーロ(1040円)ほどだが、写真を撮るのが目的の旅。 歩いているからこそ、人との出会いが待っている。  相棒が道路脇の石の手すりに座り、日本から持参した好物のゴマ煎餅を食べていた。 『ポーも、一枚、食べる?』 「いいよ、疲れたよ」 『ここまで何段ぐらい登ったのかな〜?』 「538段」 『エッ、数えながら登って来たの!』と笑い『ポー、らしいよ』と頷いた。

 「けいの豆日記ノート」
 頂上までの階段で、出会った人は、数えるほどしかいなかった。 だれも、階段など、登らないのだろう。 階段を降りてくる、ふたりの女性を発見。 ひとりがシスターのようなスカーフをしていた。 いい感じで思わずカメラを構えてしまったよ。 すれ違いのときに、折り鶴をあげるとにっこりしてくれたよ。 シスターじゃなかったけど、すてきなふたりだった。

 道路の先に巾が1mほどの石段が待っていた。頂上に近い雰囲気があった。 そして、673段で登りきると目の前にサンタ・ルジア教会の雄姿が青空を背景に浮かんでいた。 45分かかったが疲れが吹き飛ぶ嬉しさだった。 標高249mの山の上は公園になっていて、そこからの眺望は息を呑む美しさだった。 ヴィアナ・ド・カステロの町が青く眼下に広がっていた。 駅前からはるか先にキラキラ見えた水面はリマ川で、右手に青く見える大西洋に注いでいた。 ここは河口の町だった。 町が小さいので地図みたいにはっきり見えた。綺麗な町だった。 河口だからリマ川が広く、大西洋の輝きが手に取るように迫って、この俯瞰はいい。 町の何処からでも見えるサンタ・ルジア教会の内部は高さ57mのドームで、天井はフレスコ画。 そしてステンドグラスの天窓が周囲を飾り、そこからの柔らかい日差しが内部を優しく照らしていた。 ステンドグラスからの光の色合いが内壁に投影され、神秘的であった。

 「けいの豆日記ノート」
 教会の中を見学しようと入っていくと、ミサをやっていた。 そっと横から、前のほうにいってみた。 大司教様なのだろうか。 きらきらの服を着ていた。 祭壇の上でなにかしゃべっていた。 このへん、言葉がわからないので、きっとありがたいお言葉なんだろうけど。 旅の安全を祈ってもらっているようで、なんか得した気分だ。

 ゴオオ〜ン!と頭の上で音が響いて鳴った。 5時を告げる鐘の音だった。 この鐘音は下の町に響き渡っているに違いない。 町の人々は、この鐘の響きで毎日の生活を刻んできたと思う。 帰りも、また673段を一段一段降りた。 相棒はシャッターを切りながら狭い石段を気持ちよさそうに下っていく。 そして、歌っていた。 ♪こ〜こは ど〜この細道じゃ♪  何故か、この歌がこの場の雰囲気に合った。 相棒のつぶやくような歌声が不思議に心に響いて、残った。 帰りは20分で小さな看板まで下りた。♪行きは よいよい♪の逆だった。

 「けいの豆日記ノート」
 階段も坂道も登りのほうが楽だ。 下りのほうが楽なようだけど、目が悪いせいか、階段を下りるのが踏み外しそうで怖い。 1段ずつ、確認しながら、降りる。 普通の階段ならまだいいのだが、城壁の階段は急だし手すりもなく、落ちそうだ。 高いところは、嫌いじゃないが下りの階段だけは苦手だ。 坂道も下りはスニーカーの中の指が圧迫されて痛くなる。 まあ、速さは下りのほうが早いのだけどね。

 いつものように、ショッピングセンターのスーパーで夕食を買う。 食生活を知るには、地元のスーパーが1番である。 などといって、ほんとは節約のためなのだが。 赤ワイン1瓶1・72 レタス1個0・11 キウイ2個0・27 トマト2個0・26 シーチキン1缶0・55 フライドチキン0・67 水0・39 マヨネーズ1・09 計5・06ユーロ(658円)。これが、今夜の夕食代だった。 ちょと、泣ける淋しさ。でも、山盛りのサラダは泣けるほどうまい。 赤ワインに、相棒お手製のサラダで腹いっぱいだ。 サラダは旅を続けるエネルギーになっていた。 ポルトガルは、果物も安くて美味しい。 オレンジ、メロン、イチゴなどそのまま食べれるのでデザートにちょうどいい。 日本じゃ高くて食べないメロンの半分切りをスーパーで買ってスプーンで食べる。 なんと贅沢なことだろう・・・ 熱いシャワーが一日の疲れを流してくれる。 万歩計を見た。27308歩。今日もよく歩いた。0歩に戻し、眠った。

 「けいの豆日記ノート」
 4月は、夏まではいかないが陽が長い。夜は9時ごろまで明るい。 なので、夕焼けを見ようと思うと起きているのがたいへんだ。 なんといっても昼に歩き続けているので、夜はバタンキュー状態だ。 陽が長いのは、うれしいが、太陽にあわせて行動するのも体力がもたないよ。 でも、やっぱ、太陽があるうちは、歩きたいのですよね。 リマ川の河口近くの港や公園を歩いてみる。 アゴニア教会の前のバルボサ広場は金曜日には露天市場がでるという。 普通だったら、見るのだが、木曜日に露天市場のあるバルセロスと同じという。 いったばかりの露天市場だ。 毎週、きまった町をまわっているらしい。 明日は、違う町に行く予定なのでこちらの露天市場はやめにした。 このアゴニア教会では、8月にロマリア祭が行われるという。 1度、お祭りを見てみたいな。

 翌朝、4月23日(金)。7時に太陽が昇った。 窓からサンタ・ルジア教会が朝日に照らされて神々しく見えた。 思わず、手を合わせてしまう。(思わず、胸に十字は切れない)さあ、今日も元気で二万歩だ。 8時のモーニング。食堂のドアのノブを回したが開かない。『ウッソ〜!』素顔の相棒の雄叫びだ。 トントントンと、入り口のガラスを叩く女性がいた。ここを開けて!と言っているらしい。 何かしゃべっているが分からない。 相棒がガラス越しに女性と手話。正規の手話ではない。ジェスチャーゲームを見ているようだ。 相棒がポーに指示をした。 受付カウンターの左の引き出しに鍵の束が入っている。それで、ここを開けて欲しいと言っているからと。 ポーは確かめた。あった!鍵の束が確かに。相棒のジェスチャー解読術に乾杯だ。 鍵穴にひと鍵ひと鍵、差し込み回すが開かない。 女性はそんなはずがない、とガラス越しに叫ぶが開かないものは開かない。 まっ、まっ、まっ、と相棒がガラス越しになだめる。 そしてまた、二人のジェスチャーゲームが始まった。 頷いた相棒は、カウンターの横の壁に貼ってある電話番号の上から11番目をダイヤルした。 つながった。 そして、相棒は受話器に向かって叫んだ。『コケコッコ〜!』と。 奥の部屋から髪がボサボサの青年が飛び出してきた。寝坊したのだ。 青年はポケットから出した鍵で開けた。 怒った女性と青年のやり取りが続く。 その時、日本語で『いいから早く食べさせてくれない!』と一喝したのは勿論、相棒だ。 湯を沸かし食事の準備が出来るまで20分はかかると判断。 『町を散歩してこよう、ポー』もう、入り口のドアを開けていた。

 レプブリカ広場まで5分とかからない。噴水が朝の光できらめく。 鳩の群れが大きく広場の上空を旋回している。朝日をさえぎった鳩の影が石畳を洗うようだ。 カテドラル(大聖堂)も陽を浴びる。 14世紀頃に建てられたというゴシック様式の正面に重みを感じる。 港には漁船が並ぶ。船体にきらきら輝く波模様が反射され揺れている。 相棒の写真家がファインダーをのぞく。その横顔がなごんで見えた。 食堂に戻ると、あたたかいモーニングが待っていた。コーヒーの香りがいい。 あの女性も笑顔で焼きたてのパンをいっぱい目の前に運んでくれ、コーンフレークも牛乳と出してくれた。 サービス満点。青年も髪を整え、頭を下げ恥ずかしげに去っていった。腹いっぱいの朝食だった。

 「けいの豆日記ノート」
 朝起きてなにがうれしいって、朝食が用意されていることだ。 たとえ、パンとコーヒーしかなくても、なにもしなくて出てくるというのはいいな。 ツアーなどでいくホテルはバイキングで料理がたくさんあって豪華だけど、安いペンサォンだと質素なものだ。 バターとジャムをたっぷりつけて食べるので、いつも、帰りには太って帰ることになる。 たくさん食べないと歩けないと思って食べているが食べすぎかも。

 ヴィアナ・ド・カステロ駅でキップを買い、ホームで列車を待つ間、相棒は折り鶴を始めた。 写真を撮らせてもらったときのお礼の《折り鶴》だ。 色とりどりの千代紙から1羽また1羽と相棒の手の中で生まれる折り鶴。 目を輝かせる3人の娘(高校生ぐらい)がジーと相棒の手元を追う。 素早く誕生する鶴に歓喜の瞳が弾ける。 列車が来た。相棒は立ち上がり、3人の娘に1羽ずつあげた。 オブリガーダと可愛い声が嬉しそう。折り鶴と一緒に手を振って列車に消えた。 『あらッ!』と相棒。朝食で偶然会った日本人の中年夫婦が隣の車両に乗り込むのが見えた。 『さあ、バレンサ・ド・ミーニョまで列車を楽しもうか、ポー』 ガイド本をバスに置き忘れ、しかもガイド本にも載っていない国境の町に向かった。

                              *「地球の歩き方」参照*

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