  ブラガのバラ園のふたり
  
ポルトのサン・ベント駅から近郊列車で約1時間10分でブラガに到着する。
30分から1時間おきに運行するので、行きやすい場所である。
ポルトからの日帰り観光にいい場所となっている。
ヴィアド・カステロから列車とバス、ギマランイスからもバスが出ている。
「リスボンは楽しみ、コインブラは学び、ポルトは働き、そしてブラガは祈りの町である」という言葉からも明らかなように、
ブラガは、ポルトガルにおいて、信仰面で重要な役割を果たしてきている。
ブラガの歴史は古く、ローマ帝国の属州ガッラエキアの中心地Bracara Augustaとして繁栄した。
イスラム支配後、12世紀から18世紀にかけて大司教座が置かれた。
宗教の中心地として知られ、12世紀建造のブラガ大聖堂、大司教館、郊外の巡礼地ボンジェズスが有名である。
大司教座がおかれ、中世から近世にかけて宗教都市として栄えた。
16世紀の大司教は国王にもまさる巨大な権力をもっていた。
カテドラルの向いにある旧大司教館は貴重な蔵書を誇っている。
30万冊以上の文書が収められている。
その旧大司教館の裏には、バラ園があった。
バラ園の中心に若いふたりがいた。
まわりに人がいてもかまわず、ふたりの世界にひたっていた。
「卒業したらどうするの?」
「どこかに就職するさ。」
「どこかにってどこよ。」
「そればまだ決まってない。」
「え~~ そんなんじゃだめだよ。」
「あんまりしたいこともないしさ。」
「私のためにがんばってよ。」
「わかったよ。君のためにがんばるよ。」
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