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愛しのポルトガル写真集ギャラリー(賑わうアウグスタ通りがあるバイシャ地区のリスボン20)
Portugal Photo Gallery --- Lisboa 20

リスボン20 Lisboa 20 5月29日午後(晴天)

ポルトを9時のバスで出発して午後1時前にはリスボンのセッテリオスバスターミナルに到着した。
ホテルのペンサオ・ノヴァ・ゴアに荷物を置き、リスボンの街の散策にでる。
バイシャ地区のアウグスタ通りからコメルシオ広場に向かう。凱旋門の屋上に登ることができた。
ホテル近くのメルカード前の露天店のイチゴが山盛りでびっくりだった。

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サン・ドミンゴス教会1・リスボン in portugal
サン・ドミンゴス教会1
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サン・ドミンゴス教会2・リスボン in portugal
サン・ドミンゴス教会2
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火事の記事・リスボン in portugal
火事の記事
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ドミンゴス教会の礼拝堂1・リスボン in portugal
ドミンゴス教会の礼拝堂1
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ドミンゴス教会の礼拝堂2・リスボン in portugal
ドミンゴス教会の礼拝堂2
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寛容の都市の壁・リスボン in portugal
寛容の都市の壁
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追悼の石碑・リスボン in portugal
追悼の石碑
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露天・リスボン in portugal
露天
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国立劇場・リスボン in portugal
国立劇場
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国立劇場の横・リスボン in portugal
国立劇場の横
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ロシオ広場のジャカランダ・リスボン in portugal
ロシオ広場のジャカランダ
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ロシオ駅への階段・リスボン in portugal
ロシオ駅への階段
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ロシオ広場の噴水・リスボン in portugal
ロシオ広場の噴水
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信号待ち・リスボン in portugal
信号待ち
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ナタ専門店1・リスボン in portugal
ナタ専門店1
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ナタ専門店2・リスボン in portugal
ナタ専門店2
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バラの形のアイス店・リスボン in portugal
バラの形のアイス店
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パステルバカリュウ1・リスボン in portugal
パステルバカリュウ1
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パステルバカリュウ2・リスボン in portugal
パステルバカリュウ2
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うなぎの缶詰店・リスボン in portugal
うなぎの缶詰店
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缶詰専門店1・リスボン in portugal
缶詰専門店1
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缶詰専門店2・リスボン in portugal
缶詰専門店2
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缶詰専門店3・リスボン in portugal
缶詰専門店3
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缶詰専門店4・リスボン in portugal
缶詰専門店4
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サンタ・ジェスタのエレベーター・リスボン in portugal
サンタ・ジェスタのエレベーター
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緑のあるテラス・リスボン in portugal
緑のあるテラス
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勝利のアーチ表・リスボン in portugal
勝利のアーチ表
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勝利のアーチ裏1・リスボン in portugal
勝利のアーチ裏1
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勝利のアーチ裏2・リスボン in portugal
勝利のアーチ裏2
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展望台入口・リスボン in portugal
展望台入口
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展望台からの風景1・リスボン in portugal
展望台からの風景1
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展望台からの風景2・リスボン in portugal
展望台からの風景2
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展望台からの風景3・リスボン in portugal
展望台からの風景3
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展望台からの風景4・リスボン in portugal
展望台からの風景4
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展望台の像1・リスボン in portugal
展望台の像1
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展望台の像2・リスボン in portugal
展望台の像2
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コメルシオ広場・リスボン in portugal
コメルシオ広場
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オープンカフェ・リスボン in portugal
オープンカフェ
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ストーリーセンター・リスボン in portugal
ストーリーセンター
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センターの土産店・リスボン in portugal
センターの土産店
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イベントのドーム・リスボン in portugal
イベントのドーム
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フェイゲイラ広場・リスボン in portugal
フェイゲイラ広場
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石畳職人の像・リスボン in portugal
石畳職人の像
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名前ミシン実演・リスボン in portugal
名前ミシン実演
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人間アート1・リスボン in portugal
人間アート1
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人間アート2・リスボン in portugal
人間アート2
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人間アート3・リスボン in portugal
人間アート3
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人間アート4・リスボン in portugal
人間アート4
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カンデラ教会・リスボン in portugal
カンデラ教会
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カンデラ教会の礼拝堂1・リスボン in portugal
カンデラ教会の礼拝堂1
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カンデラ教会の礼拝堂2・リスボン in portugal
カンデラ教会の礼拝堂2
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アイス売り・リスボン in portugal
アイス売り
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フルーツ売り・リスボン in portugal
フルーツ売り
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人気のレストラン・リスボン in portugal
人気のレストラン
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メルカード・リスボン in portugal
メルカード
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ペンサオン・ノヴァ・ゴア・リスボン in portugal
ペンサオン・ノヴァ・ゴア

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リスボン県
リスボン県地図

リスボン(ポルトガル語ではリシュボーアと発音する)は、
大西洋に注ぐテージョ川の河口から約12km上流の
右岸に位置する、ヨーロッパ大陸最西端の首都である。

レスタウラドーレス広場の南、ロシオ広場からテージョ川に面したコメルシオ広場までの一帯は、バイシャ(低い土地という意味)と呼ばれる。
バイロ・アルトとアルファマのふたつの丘に挟まれている。
基盤の目状の道路に商店、レストラン、みやげ店などが軒を連ね、リスボンでもっともにぎやかな繁華街となっている。

ロシオ広場からバイシャ地区にはいり、歩行者天国のアウグスタ通りがある。
カフェやレストランのテーブルが並び、いつも大勢の人でにぎわっている。

コメルシオ広場の入口にある勝利のアーチは展望台になっている。
最近、展望台に上ることができるように改装された。
街を一望することができ、コメルシオ広場向うのテージョ川の対岸も見ることができる。

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「ポー君の旅日記」 ☆ 賑わうアウグスタ通りがあるバイシャ地区のリスボン20 ☆ 〔 文・杉澤理史 〕

≪2018紀行文・16≫
    === 第4章●リスボン起点の旅 === 

〔アウグスタ通り〕から〔コメルシオ広場〕に抜ける「勝利のアーチ」の展望台に初めてよじ登ってみた

          《移動日の5月29日(火)の朝》

 ポルトガル共和国の第2都市〔ポルト〕を起点に、ドウロ川上流沿いをひさびさ写真家の相棒と野老(ヤロー)は歩き回った。 ワイン好きには堪(たま)らない〔ポートワイン〕の原酒葡萄畑の瑞々(みずみず)しい葉っぱの新緑の香りあふれる段々畑地帯は、 急斜面の小山を空に向かって段々状にはい上がっていた。 〔取材撮影旅〕も紆余屈折しながらもほぼ順調に展開し、今日はポルトガルの北部第2都市〔ポルト〕から300km南下した首都〔リスボン〕への、移動日の早朝だった。

 2001年の〈ニューヨーク同時多発テロ事件9・11〉の11日後、9・22から始まった我らポルトガル〔撮影取材旅〕は、 予想だにしない稀(まれ)なる大悲劇まっ最中時の旅立ちに躊躇(ちゅうちょ)したが、初めて訪れる「ポルトガル共和国」に強烈な何かのひと押しで 『愛しのポルトガル』に心引かれるご縁を頂(いただ)き、歳も歳での〔撮影取材旅〕を決行した。 野老、誕生日を過ぎ62歳だった。

 そして、18年間〔愛しのポルトガル〕一筋の〔撮影取材旅〕を続行し、今回で10回目。 その2018年5月29日(火)朝、大西洋に流れ込む全長925kmの〔ポートワイン〕の母なるドウロ川の河口にある北部第2都市〔ポルト〕の 常宿〔ホテル ペニンシュラ〕で、野老78歳はモーニングを食べていた。 いつも最後の〔撮影取材旅〕になるかもと、〈旅の企画立案と進行〉を長年こつこつと知恵を絞って来た写真家は、今回も大胆な撮影行程を組んでいた。 モーニングの後は〈ポルトからリスボン〉までの高速バス3時間半のバス旅が待っていた。

「けいの豆日記ノート」
 ポルトの長距離専用のRE会社のバスターミナルは、いつも利用している場所である。 リスボンとかの長距離バスが運行している。 出発当日だと、満席で乗れない場合があると思い、前日にバスターミナルにむかった。 建物の前にきてもバスの姿が見えず、中にはいると、なにもない空間が広がっていた。 そこにいた係り員らしき男性に聞いてみると、バスターミナルは、移動したらしい。 入り口に新しいバスタ―ミナルの場所の地図が貼ってあった。 メトロひと駅くらいの距離だったので、その日はチケットを買わずに帰ることにした。
 翌日、ホテルから早めにタクシーで新しいバスターミナルに向かった。 以前のバスターミナルはとても狭かったが新しい駅は広かった。 いつもなら、チケットはクレジットカードで買えるのだが、ここでは使えなかった。 新しいから設備が整っていないのか、たまたま故障中であったのかわからないが、しかたがないので、現金で払った。 バスの席が家族グループの隣になってしまい、まわりが騒がしく寝ることもできなかった。 前の大きな男性が席を倒したので、ますます狭くなり窮屈な時間を過ごすことになった。

          《バイシャ地区のおもちゃ箱》

 12時45分、首都リスボンのセッテ・リオス・バスターミナルに着き、タクシーで今夜から5泊の宿〔ペンサオン・ノヴア・ゴア〕に着いたのは13時30分。 黄色い外壁建物前を路面電車が走る道路の角っこにある5階建。 3階の部屋の窓を開けた写真家の第一声は、『あっ、おもちゃ箱みたい!』と吐いた。 [5階建ペンサオン・ノヴァ・ゴアの1階は商店に占められ、こちらポルトガルでは通常は0階と呼ばれている。 従ってポルトガルでは2階が1階なので、我らの部屋は3階ではなく2階になる。 部屋のキーナンバーは201。] 野老も荷物を部屋に押し込んで窓辺に歩み寄る。

 眼下窓景色は、一枚の動画の世界だった。 路面電車(市電)の停留場があり、〔バイロ・アルト〕〔バイシャ〕〔アルファマ〕の3つの地区を結んで走る人気の路線28番の黄色い車体が見え、 運転席のフロントガラスに貼ってあるWI-FIのステッカーが目を引く。 チンチン電車の中にもwi-fiが飛んでいる、その28番に乗り込む観光客団体の群れの前を、 近年急増した〔トゥクトゥク〕と呼ばれている緑や赤、黄色車体の三輪バイクがタクシーを押し退け観光客を乗せ、狭いリスボンの路地を走り回る。

 3年ほど前からリスボン観光巡りの主役級に躍り出た新兵器だった。 野老は乗ったことがないが、余り好きではなかった。 東南アジアでは生活感もあり似合っているが、ここ〔哀愁の古都リスボン〕にはちょこまか動く三輪車はめざわり。 そんな眼下を眺めながら、写真家の瞬時の感想描写〔おもちゃ箱みたい!〕の掴(つか)みは、見事であったと野老は思う。

「けいの豆日記ノート」
 リスボンの宿は毎回違うところを探している。 ポルトガルはヨーロッパで人気が高いので、リスボンやポルトのホテルは年々高くなっているような気がする。 ホテルは基本的に日本からネットで予約をする。 現地でも探せるのだろうが、大きな荷物を持ってウロウロとしたくないし、時間がもったいない。 安ければいいものでもなく、交通の便やモーニングやシャワールームなどを照らし合わせて探すのはたいへんである。 今回は、フィゲイラ広場に近いペンサオンに決めた。 ここで6泊するので、受付上の見晴らしのいい部屋にしてくれたのかもしれない。

          《広場には広場の顔がある》

 宿を出てすぐに、ジョアン1世の騎馬像が立つ〔フィゲイラ広場〕がある。 ヴァスコ・ダ・ガマゆかりの世界遺産〔ジェロニモス修道院〕などがあるベレン地区に行く15番路面電車や城壁から リスボンの一大パノラマが目撃できる〔サン・ジョルジェ城〕に行く737番バスなど交通機関の始点で賑わっているその一角に、 とても混んでいたレストランで14時30分、遅い昼食14.2ユーロ(鶏肉・牛肉、生ビールと水)。 牛肉の硬さには閉口。 混んだ店を出て人混みの中を振り向くことなく写真家は行く。

 地下鉄ロシオ駅に降りる石段の入り口に赤地に白のmetroの文字、その向こうに〔ロシオ広場〕中央円柱の頂には初代ブラジル国王を務めたペドロ4世の銅像が立っているのが見える。 正式には〔ペドロ4世広場〕である。 左手に首から下げた重い一眼デジタルカメラを握り締め、目配りしながら写真家は日々通い慣れた場所を歩いて行くかのように人混みをぬって足早だ。 何処に、何を撮るかも知らぬ野老は目配せ鋭く後を追う。これでも、ボディーガードG(爺)マンである。

 ロシオ広場の北側、青紫色の花が咲くジャカランダの街路樹の下で写真家の足が止まる。 『何度もロシオ広場に来てるけれど、ここは見過ごしていた、ね』と声をかけてきた。 そこは初めて見る光景だった。 白い石畳の小さな広場〔サン・ドミンゴス広場〕は何故か黒人の姿が多い。 鳩の餌を売る赤い衣装が似合う黒人女性の背後の坂道通路壁は文字だらけ。

 その中に日本語もあった。 〈リスボンー寛容の都市〉の文字だった。 他のアルファベットも世界各国からリスボンをたたえていた。ユダヤ人を受け入れたことの感謝の言葉だった。 確かにポルトガル各地にはユダヤ人を受け入れた生活の場がある。 例えば、ポルトガル最大のキリスト修道院がある〔トマール〕の町にはユダヤ教会〔シナゴガ〕が残っている。

 また、アレンテージョ地方の〔ポルタレグレ〕から15km、サン・マメーデ山脈麓にある人口4000人ほどの〔カステロ・デ・ヴィデ〕にも〔ユダヤ人地区〕があり、 中世のユダヤ教会〔シナゴガ〕も残っている。 ユダヤ地区は日当たりの良い坂道に広がリ、石段に座りスープに使う野菜を手で細かくちぎっていた母娘姿が今でも忘れられない。

 ユダヤ人虐殺追悼の石碑が、白い石畳広場の中央に飾られ、観光客が石碑の文字を覗き込む。 その背後に古ぼけた大きな教会があり、多くの観光客が吸い込まれて行く。 出てくる人々には笑みはない。硬い表情ばかりだ。 写真家の目的はこの薄汚れた教会だった。 内部の壁に【1959年8月13日の新聞記事FOGO NA CASA DE DEUSUと火災時の様子や燃え尽きた内部写真】が貼ってある。 キャッチコピー、燃えた教会は、〔サン・ドミンゴス教会〕であった。

 残ったのは石造りの柱やアーチなどでそれ以外の装飾類は全て炎上。 祭壇や高い天井と壁は赤茶色で修復。 石柱は黒煙で黒く焼かれそれを水圧で削り取られでこぼこ状態である。 礼拝用の椅子は長椅子ではなく、一人用の椅子が400脚ほで整然と並べられていた。 当然、天井からのシャンデリアもなく、木彫り装飾も一切燃え尽き何もない。 窓からの自然光が教会内部全体に明暗をもたらし、広々さと神秘的な神々しさを感じさせていた。

「けいの豆日記ノート」
 リスボンは毎回訪れる町であり、かなり知っていると思っていたが、見逃している場所も多くあることに気がつく。 リスボンは、他の町に行く中継地点であることも関係するのかもしれない。 日帰りや1泊で近場の町を訪問し、リスボンには眠るために帰っているようなものである。 なので、見ているようで見ていない場所がたくさんある。 サン・ドミンゴス教会も通り過ぎてしまっていた。 早朝とか夕方とか、開いている時間に通ってないので、見逃してしまったのだろう。 燃えてしまった教会だが、その跡を残して修復しているのが、風化させない気持ちがあるのだろう。

 〔フィゲイラ広場〕から〔ロシオ広場〕を通り抜け〔サン・ドミンゴス広場〕と、キャッチコピーの《広場には広場の顔がある》と暗示してきた通り、 首都リスボンには100以上の広場や公園があるという。 因(ちな)みに白い石畳のサン・ドミンゴス広場は、リスボンで84位の広場なのだ。 初めて首都リスボンを歩きまわった2001年の旅から気づいたことがある。

 日本にも〔広場〕は確かにある。 東京の都会の中にある〔日比谷公園〕は歴史もあり、でかく市民の生活や憩いの場でもあるが、〔広場〕ではなく今でも〔公園〕だった。 日本には〔広場〕と言う文化がないのかも知れない。 原っぱはあっても、公園はあっても、日常生活の中に〔広場〕と言う風習がなかった。 だが、リスボンの〔広場〕はとてつもなく広くでかく、それぞれに歴史を秘めた〔顔〕が、生々しく躍動していた。

 首都リスボンの中心地にある〔ロシオ広場〕は、観光客が集まる中心街だ。 広場がひとつの町でもあったし、歴史の積み重ねの喜怒哀楽も持っていた。 ロシオ広場に面した北側に〔ドナ・マリア2世国立劇場〕がある。 その前にある大噴水が飛沫(しぶき)を上げている。 5月中旬から6月の末までロシオ広場の周囲を囲むようにジャカランダの大樹が青紫色の花弁をつけ咲き誇っている。 日本の桜満開時と同じ華々しさがある。 しかし、ジャカランダの満開の下でのお花見の宴会はない。 風俗風習の差も歴史だった。〔ロシオ広場〕は600年以上にわたりリスボンを代表する広場の役割を果たしてきたという。 かつてこの広場はパレードや祭りや闘牛ばかりか、有罪者の火あぶりの処刑場にもなったと言うのだ。

「けいの豆日記ノート」
 ロシオ広場のジャカランダは少し早かった。 花の時期だけは毎年違うので、しかたがないのかもしれない。 いつもなら満開の時期であるが、花は咲き始めであった。 数本だけ、満開に近い木がありそこを中心に撮ってみた。

          《バイシャ地区》

 〔ロシオ広場〕からテージョ川に面した〔コメルシオ広場〕まで一帯がバイシャ地区だ。 バイシャとは低い土地のことで、バイロ・アルト地区とアルファマ地区の二つの丘に挟まれた狭間(はざま)に、碁盤の目状に商店街が軒を連ねたリスボンいちの繁華街である。 ロシオ広場からバイシャ地区に入り、歩行者天国になっている〔アウグスタ通り〕は曜日に関係なく観光客天国である。 当然、両サイドの飲食店はもとより、「お貰いさんたち」があの手この手で網を張っている。

 通りに入った途端に捕まったのは、帽子からドレス、顔まで真っ白で身動き一つせず、缶缶が小銭でカラン!となると、にっこり微笑む「お貰いさん」。 パステル・デ・ナタ専門店のエッグタルト6つセットで5.5ユーロ買い。 バラ模様のアイスクリーム店「Amorino」は女性客で満員。 写真を撮りながら注文し、ホームページの〔ポー君の豆日記〕撮りの写真家。

 洒落た缶詰専門店で鰯の缶詰を買う。 うなぎのカンズメもあったが、輪切りのオリーブ油漬けを想像して恐ろしくてやめる。 ミシンの名手に名前を伝えるとタダで一瞬にして布にミシン縫いしてくれる。 楽しみながらの買い食いは旅の贅沢である。

 写真家のカメラバックが膨らみ重そうだ。 痛まない腐らない新装缶詰専門店での撮影には時間をかけているようだった。 人気沸騰の〔ポー君の豆日記〕にも神経使って撮影しているからなあ。 目の前に迫ってきたのが、かつてのポルトガルの威勢を示す堂々たる凱旋門〔勝利のアーチ〕だった。 写真家が動いた。『この上に登るよ』「エッ、上れるの?」だった。

「けいの豆日記ノート」
 リスボンに来ると、かならず行くのが、アウグスタ通りである。 遊歩道になっており、たくさんの人たちが集まる場所である。 新しい店もどんどんできている。 今は、缶詰が流行っているのか、缶の模様にこだわっていてお土産用によく買われている。 店の中の装飾もすてきで、遠目では缶詰店とは思えないように飾られている。 エプロンやベビー用品など買ったものにすぐに名前を刺繍してくれる衣料品店がある。 店の前にミシンを出して、刺繍のデモンストレーションをしている。 画用紙に「Lisboa」と刺繍をしたものを以前にもらったことがある。 折り鶴をあげると、「Keiko」の名前を下書きも何もなく刺繍してくれる。 この技術はすごいと思う。何も買わなくて申し訳ない気持ちだけある。

          《勝利のアーチ》

 勝利のアーチの中央頂点は勝利の女神。 ポルトガル王室の紋様の両脇にヴァスコ・ダ・ガマやポルトガル大地震の復興を指揮したポンバル公爵の彫像が飾られていた。 このアーチの上に登れると言うのだ。今までこのアーチの下を20回は潜っていたのに初めての経験に心が踊る。 展望台に上がるのに一人2.5ユーロ。 17時を過ぎているが360度のリスボンが鮮明に見える筈だ。

 展望台までエレベーターでなしに狭い螺旋階段をくるくる息継ぎしながら野老は登る。 写真家の姿はとっくに消えていた。展望台があることを知らない人が多いようだ。 やっと展望台に出た。瞬時に見えたのは女神たちの後ろ姿だ。 空が近づいたよう。流れる雲の間に青空が見える。

 まず像の後方の今歩いてきた〔アウグスタ通り〕方面の俯瞰が見たいと思う。 意外と狭く通りの中央に日除けの白いテントが流し染め洗いのように長い。 平日なのに人の流れが半端ない。さすが7つの丘の町首都リスボンが眼下で息づいている。 通りを挟んで6階建のオレンジ色の屋根瓦が先の先まで俯瞰で見える。 とするとこの展望台は高さ20mは楽にあると推理。

 右手先に〔サン・ジョルジェ城〕、おっ眼下も眼下に路面電車が走り、トゥクトゥクが3台も走り寄る。 正面右方面の奥に目を転じるとテージョ川に架かる2277mの〔4月25日橋〕、その左にテージョ川対岸に110mの巨大キリスト像〔クリスト・レイ〕がはっきり見えた。 正面を見る。当然海のように広いテージョ川。 行き交う船。広くて白い石畳の真ん中に白い台座の上に〔ジョゼ1世の騎馬像〕があるテージョ川に接した〔コメルシオ広場〕だった。

「けいの豆日記ノート」
 勝利のアーチは以前は上ることができなかったと思う。 数年前に工事をしていたが、そのときに上れるようにしたのかもしれない。 天気がいまいちであったが、今日上らないと次はいつになるかわからないので上ることにした。 あまり知られていないのか、人気がないのかわからないが、見学の人は少なめであった。 他にもリスボンの町を俯瞰で見ることができる展望台はいくつもあるからかもしれない。 でも、1回は上ってみたいと思った。 勝利の門の上の彫刻像が近くで見るとこんなに大きいものなのだとよくわかった。 これで青空が広がっていればよかったのだが、贅沢はいえない。

          《コメルシオ広場》

 14世紀中旬から始まった〔ポルトガル大航海時代〕はエンリケ航海王子の先導から始まり王室が引き継いで来たが、 16世紀初頭には〔世界の海の支配者〕と呼ばれたマヌエル王がテージョ川に面した広大な〔宮殿広場〕にマヌエル1世 の豪華な宮殿を造リ、 1755年の大地震と津波震災で壊れるまでのポルトガル王室の本拠地となっていたのだ。

 また、この広場には悲劇的歴史が刻まれる。 1908年にカルロス1世と皇太子の暗殺だった。 ポルトガルの〔広場〕はテーマとしてはでかすぎたきらいがある。ポルトガル語をもっと学ばねばならぬと痛感した。

 今日の取材は15時から始まったが、19時には宿に戻っていた。 短い〔撮影取材旅〕だったがテーマは〔広場〕と決めて取材していた。

●漢字に(・・・)と読みを容れていますが、読者の中に小・中学性の孫娘達がいますので了承ください。(野老)●

                              *「地球の歩き方」参照*

終わりまで、ポルトガル旅日記を読んでくださり、ありがとうございます。
今回分は2019年11月に掲載いたしました。

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ギマランイス2
Gumaraes 2
2013−15話
ポンテ・デ・リマ&リンドーゾ
Ponte de Lima & Lindozo
2013−16話
ポルト13
Porto 13
2013−17話
ポルト14
Porto 14
2013−18話
ケルース2
Queluz 2
2013−19話
リスボン14
Lisboa 14

 ≪ポルトガル写真集&紀行文・2012年版≫ バックナンバー&予定は、こちらからどうぞ・・・

2012−1話
リスボン10
Lisboa 10
2012−2話
サンタレン
Santarem
2012−3話
エントロンカメント
Entroncamnto
2012−4話
トマール2
Tomar 2
2012−5話
トマール2
Tomar 3
2012−6話
コインブラ3
Coimbra 3
2012−7話
カンタニェデ&アンサー
Cantanhede & anca
2012−8話
ピオダン
Piodao
2012−9話
コインブラ4
Coimbra 4
2012−10話
ペネラ
Penela
2012−11話
アザルージャ&エヴォラモンテ
Azaruja&Evoramonte
2012−12話
エルヴァス2
Elvas 2
2012−13話
エルヴァス3&バダホス
Elvas 3 & Badajoz
2012−14話
エストテモス2
Estremoz 2
2012−15話
モンサラーシュ2
Monsaraz 2
2012−16話
エヴォラ4
Evora 4
2012−17話
エヴォラ5
Evora 5
2012−18話
リスボン10
Lisboa11 & Cacihas2
2012−19話
リスボン10
Lisboa 12
2012−20話
マフラ3&エリセイラ2
Mafra 3 & Ericeira 2

 ≪ポルトガル写真集&紀行文・2008年版≫ バックナンバー&予定は、こちらからどうぞ・・・

2008−1話
リスボン5
Lisboa 5
2008−2話
カスカイス2
Cascais 2
2008−3話
エストリル2
Estoril 2
2008−4話
シントラ2
Sintra 2
2008−5話
シントラ3
Sintra 3
2008−6話
リスボン6
Lisboa 6
2008−7話
ポルタレグレ
Portalegre
2008−8話
カステロ・デ・ヴィデ
Castelo de Vide
2008−9話
ポルタレグレ2
Portalegre 2
2008−10話
ポルタレグレ3
Portalegre 3
2008−11話
ポルタレグレ4
Portalegre 4
2008−12話
マルヴァオン
Mrvao
2008−13話
リスボン7
Lisboa 7
2008−14話
リスボン8
Lisboa 8
2008−15話
クリストレイ
Cristo Rei
2008−16話
カシーリャス
Cacihas
2008−17話
ノゲイラ・アゼイタオン
Nogueira Azeitao
2008−18話
フレスカ・アゼイタオン
Fresca Azeitao
2008−19話
エヴォラ2
Evora 2
2008−20話
ベージャ
Beja
2008−21話
ベージャ2
Beja 2
2008−22話
セルバ
Serpa
2008−23話
ヴィラヴィソーザ
Vila Vicosa
2008−24話
ボルバ
Borba
2008−25話
ルドンド
Redondo
2008−26話
エヴォラ3
Evora 3
2008−27話
アライオロス2
Arraiolos 2
2008−28話
ポルト8
porto 8
2008−29話
アヴェイロ2
Aveiro 2
2008−30話
コスタ・ノヴァ
Costa Nova
2008−31話
ブラガ2
Braga 2
2008−32話
ポルト9
porto 9
2008−33話
ポルト10
porto 10
2008−34話
ポルト11
porto 11
2008−35話
リスボン9
Lisboa 9
☆ リスボンシリーズです・・・過去の写真や話も読んでくださいね。 ☆
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